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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第251話 ファティリタス復興編 【第3クール】 さすがはアルラウネ

【翌朝】

――森林跡地・家――



「じゃ、あとよろ~」


 翌朝、適当な挨拶でベリアルが出発する。『ピクシーを連れてくるから迎える準備しといてね』ってことだ。


 昨夜話していた通り、果樹園の近くに家を建てるべく、俺とアンリさんは<クレイジーアップルの木>が立ち並ぶ果樹園へと向かった。


――果樹園――



「~~~♪」


 果樹園では、アルルがご機嫌に<クレイジーアップルの木>のお世話をしていた。


――まだ数日しか経ってないのに、前よりも木が大きくなってる気がする。実もたくさんついてて、その一つ一つが以前よりも立派だ。


「おや、お二人とも。おはようございます」

「「おはようございます」」


 キャシーさんもいた。いつものごとく、手伝ってくれている。俺とアンリさんは、汗をタオルでぬぐっているキャシーさんに歩み寄った。



「いやぁ、この子スゴいですね」


 キャシーさんがアルルを見ながら褒め称える。ふむ。するとやはり――


「やっぱアルルのお世話の“効果”なんですか?」

「そうですね。アルルちゃんがお世話をし始めたら、スゴく元気になっちゃって」


 アルルは今も水やりをしている。時おり立ち止まって木をじっと見つめていた。


「ほんとかはわからないですけど、『木とお話ができる』って言ってましたよ」

「スゴいな。さすがはアルラウネ」

「それでお世話も上手なんですね」


 植物がどうして欲しいかがわかるってスゴいよな。


「今日はどうしたんです?」

「ピクシーが来るので、家造りです」

「そりゃまた、可愛らしいのが増えますね」


 キャシーさんも魔族に対する抵抗は薄れてきたようだ。よきかなよきかな。


「じゃあ、始めよっか」

「ええ。あの辺ですかね?」


 俺とアンリさんは場所を決めて早速取りかかった。



「こんなもんかな?」

「ええ。上手くできましたね」


 木造なのはもちろんのこと、ピクシーは小さいとのことで、扉や窓、家具など、大きさや取り扱いやすさに配慮した。


 実際に来て使ってもらったら調整はいるだろうが、一旦はこんなもんだろう。


「後はベリアル待ちだな」

「私、お夕飯作ってきますね?」


 アンリさんが家へと戻っていく。



 俺は、もう少しだけ細かい調整をしてから家へと戻るのだった。



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