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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第241話 ファティリタス復興編 【第3クール】 森林跡地の状況確認

――森林跡地――



「――って感じです」

「へぇ。どの作物や植物も順調じゃないか」

「肥料を変えてからよくなった気がするわ」


 キャシーさん、フラン、エミリーに一通り作物エリアを案内してもらった。


 <クレイジーアップル>の木程ではないにしても、どれもよく育っていた。


 前にジョセフからいい肥料の作り方を教わったので使ってるが、フランの言う通り、そのおかげなのもあるかもな。


「ユウスケ~! 魚もいるじゃん!?」

「養殖してるんだよ」

「そっちも順調ですよ」


 ベリアルがいる魚の養殖場にユウスケ達も向かうのだった。



「おお~! 稚魚もたくさんいるし、だいぶ増えてるな!!」

「はい。だけど、まだまだ貴重だから、食べるのはたまになんですけどね」


 まぁ、そうだよな。そんなガツガツ食べたら、すぐに全部食べちゃいそうだし。それに――


「ちょっと増設しとくか。もう手狭だし」

「あ、大工やるんだね?」


 ベリアルも分かってきたみたいだ。まぁ、<クラフト>スキルで造るから、大工ともちょっと違うけどな。


「私も手伝います」

「サンキュー」


 アンリさんも<クラフト>スキルで手伝ってくれたので、予想以上に早く終わった。


「これくらい広ければ、たくさん育てられるだろ」

「さっそく入れるね!」


 エミリーが嬉しそうに魚達や水草などを投入していく。<ストレージ>から使えそうな岩とかを取り出して岩場も作ってるし、いい感じに仕上がっていた。


「ねぇ、あれ食べたい」

「聞いてなかったのか? 貴重だから、たまにしかダメだよ」

「いえ、せっかく来てくださってるんだし、今日は食べちゃいましょう」

「「やった~♪」」


 ベリアルのおねだりもあり、夕飯は魚を食べられることに。ベリアルはエミリーと一緒に喜んでいた。まぁ、こんだけ喜んでくれるならいいかもな。


「じゃあ、最後にコッコ鳥のとこに行こうか」


 俺達は鳥小屋に向かった。



「……だいぶ増えたね」

「卵、食べきれなくて」

「集落でも売ってきてはいるんですけどね。ちょっと量が多くて……」


 なるほど。それに、俺とアンリさんがいなくなったのもあるかもな。子供達とキャシーさん、ケニーさんだけじゃ、さすがにこの量は無理だな。


 残ったのが孵化して育ってそれがまた卵を産んでって感じで時が経つとこうなるか……。


 そう言えば、ケニーさんは……。辺りを見回してみる。すると――



「おお、来てたのか」

「ケニーさん、お久しぶりです」


 ウォーリーの家で、ジェシカ達村人と食事会をした時に招いて以来か。ケニーさんは鳥小屋の奥で世話をしていたようだ。俺達を見つけてこちらによってくる。


「産まれすぎでなぁ」

「そうみたいですね」


 大変そうだ。それに、鳥小屋も狭いな、こんなにたくさんいると。


「とりあえず、ここも増設しておくか」

「そうですね。やっちゃいましょう」


 そうして俺達は魚の養殖場に続き、鳥小屋も増築した。


【夕方】

――家――



「うみゃ~♪」

「お魚だぁ!」


 ベリアルと子供達が魚料理に喜んでいる。俺も食べてみる。――うん、確かにうまい!


「ユウスケ達は、この先どうするんだ?」

「? どうって?」


 ケニーさんの問いがよくわからず聞き返す。ケニーさんは鶏の骨つき肉を食べながら――


「いや、色々上手く行ってるみたいだけど、これからどうするのかなって」

「あんまり考えてなかったな……」


 ウォーリーさん達のところで魔族を受け入れて、魔族幹部のトラブルについても解決したっぽいしな。さて、どうしようか。


 そんな時――



「ここに魔族を呼んでもいい?」

「? どうした急に?」


 ベリアルからだった。いきなりで皆がキョトンとする。


「ん~。一応、僕も魔族の幹部だからさ? 飢えかけてるのを助けられるなら助けたいなって」

「あ……」


 そうだった。魔族は人間との戦争に負けて住みかを追い出されてるんだった。確かにな。俺が口を開きかけようとした時――


「ま、魔族の幹部ぅ!?」

「え、ベリアルちゃん! そんな凄い子だったの!?」


 ケニーさんとキャシーさんがメチャクチャ驚いてる。そして、ジト目で俺を見つめてくる。


――ふっ。よせよ。そんなに見つめられると照れるじゃないか。


「そうだよ。でも“普通”だろ?」

「ま、まぁ、今さらだな……」

「そうね。ハーピーさん達もすっかり馴染んでるしね……」


 そう。近くには、今も子供達と和気あいあいしているフレイ達ハーピーがいるので、魔族に対する抵抗感はだいぶ薄れていた。


「で、どうかな?」

「仲良く暮らしていける奴らならいいんじゃないか? ――あ、でもたくさんは困るぞ? 食糧的な事情もあるし」

「わかってるって。じゃ、早速明日呼んでくるよ♪」


 俺がOKするとベリアルはご機嫌だった。


「付いていこうか?」

「いいよいいよ。――あ、じゃあ、家でも作っててよ。立派な奴!」

「私も手伝いますね」


 なるほど。家か。確かに。アンリさんも手伝ってくれるなら早く済みそうだ。


「じゃあ決まりだな。――あ、後でどんな魔族か教えてくれ。家をどうするか決めるから」

「わかった~♪」



 そんなこんなで、急遽魔族をここに迎えることになった。はてさて、どんな魔族が来ることやら。



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