第239話 ファティリタス復興編 【第3クール】 森林跡地に
――森林跡地――
「あ、お兄ちゃんだ! お姉ちゃんも!」
「ハーピーさん達もいる~!!♪」
森林跡地に着くと早速子供達が俺達を見つけて駆け寄ってくる。エミリーが俺にダイブしてきたので、優しく抱きとめる。
「お、ちょっと重くなったか?」
「レディに何言ってるの!?」
「――ぎゃはっ!」
『大きくなったな』と言いたかっただけだったんだが……。エミリーからみぞおちに頭突きを食らい、俺はあまりの痛さにプルプルと身もだえた。
「ユウスケさんが悪いですよ。――エミリー。いい子にしてた?」
「うん!!」
アンリさんがエミリーの頭を撫でながらそんなことを言う。――そうか。あれが正解だったのか。
「まったく。ユウスケは相変わらずデリカシーが無いわね」
「お、おぅ。フラン。――いい子にしてたか?」
「子供扱いはやめて」
(ええ~~~!?)
いつの間にか近くに来ていたフランに、今さっきアンリさんから学んだテクを使ってみたのだが、フランはご機嫌斜めに『つん!』とそっぽを向いてしまった。――げ、げせぬ……。
「あははは! ユウスケは女心がわかってないなぁ。そんなんじゃ、バイラルみたいにはなれないよ?」
「それは困る。ベリアル、教えてくれ」
「ユウスケさんには必要ありません!」
お腹を抱えて笑いながら近付いてきたベリアルに教えをこうが、アンリさんにバッサリ却下されてしまった。
――ほんとによくわからない!
「またユウスケは新しい女をひっかけてきたの!?」
「おい。変な言い方はやめろ。普通に仲間だよ」
フランがまだ子供なのに、どこぞの主婦のようにヒステリックに叫ぶ。末恐ろしい子供だ。
「はじめまして、お嬢さん。僕はベリアル。“ユウスケの女”だよ!」
「ベリアルさん!」
「やっぱりそうなのね!?」
「ちょ! ベリアル! 俺で遊ぶな!!」
「あはははは!!」
フランに割かし本気で往復ビンタされた。――かなり痛い。理不尽だ!
ベリアルはそんな俺を指差し、さらに大笑いするのだった。




