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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第232話 ファティリタス復興編 【第3クール】 なんとか無事に

――南西の集落――



「色欲じゅ……じゃなかった。バイラルさん、どうしましょう?」

「わざとかな? わざとだよね? ユウスケ、だったかな? 私も結構強いんだよ?」


 バイラルが額に青筋を立てて脅してくる。ふーんだ! こんなにイイ女を何人もはべらせてるんだ。少しくらい嫌味を言っても、バチは当たらないだろう。


「モテない男の(ひが)みってイヤね……」

「レイラ、言い過ぎです。生暖かく見守りましょう」

「大丈夫! これからだよ!」


 前言撤回。やっぱ、イイ女は取り消し! ……でも、赤茶髪の子だけは、慰めてくれたからイイ女のまま。


 そう言えば――


「そう言えば、リンダさん。アルトはいいの?」


 気になったので、ストレートに聞いてみた。少し無遠慮だったかな。リンダさんの反応はと言うと――



「私はもう、バイラルのものですから……」

「えっ。それってどういう……」

「リンダは私の妻だよ。――あ、この子達もね」


「「「「え~~~っ!?」」」」


 この場にいるほとんどが驚いただろう。俺も開いた口が塞がらない。恐るべしバイラル。ベリアルの言う通り、ガチの色欲獣だった。



 驚愕(きょうがく)の事実に見舞われつつも、「あ、あの……住人の皆様方は……」とのアンリさんの呟きに従い、事後処理を始めた。


――って言っても、


「リザレクション」


 バイラルの妻の一人――金髪シニョンのスレンダー美女であるヒルダさんが、片っ端から住人を蘇生していった。俺達は死体を一ヶ所に集めただけだ。


 幸い、肉体の損傷もそれ程ではなく、死んでからそんなに時間も経ってなかったので可能だったようだ。


 ただ、それだけというわけでもなく――


「ヒルダは魔力に秀でた有名貴族の出でね。訳あって私が(めと)ったのさ」

「簡単に言いますが、どうしたら上級貴族の令嬢を嫁にできるんですか? 教えてください、お願いします」

「ユウスケさん?」

「ユウスケ……あんたねぇ」


 いつの間にかすぐそばに来ていたアンリさんが怖い。ジェシカは呆れている。俺は軽く咳払いをしてごまかした。


 そう言えば、ヒルダか……。南の<インファ>村にいる『ハーピー尊い!』の変態もヒルダだったな。まぁ、偶然か。


「教えてあげようか? 後で私のところに――」

「え!? ほんと――」

「結構です!」

「ユウスケには千年早いわ」

「ジェ、ジェシカ? なんでユウスケのことをそんなに気にかけるんだ? ――お、おい。目を逸らさないでくれ! ジェシカァ!?」


 せっかく人生(?)の先輩に学べる機会をアンリさんとジェシカに潰されてしまった。ランディは今まで以上に発狂していて、見るに堪えない。



 何はともあれ、色々大変だったが、何とか無事に終わった。バイラル達のおかげで本当に助かったし、今度何かお礼でもしようかな?



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