第213話 ファティリタス復興編 【第3クール】再会 3校
――東エリア・南西の集落・広場――
俺達が南西の集落に着くと、やはりこちらでも広場に人が集まっていて騒がしかった。俺達が先程までいた北東の集落と違うのは、中央都市から派遣されたという軍隊がいることだろうか。
軍人は皆、立派な金属の鎧や兜を着込んでいた。剣や槍、盾なども持っている。随分とものものしい。
そんな中、俺は懐かしい姿を見つけた。
◆
「あれ? ジョセフ、エマ、ヘンリー、アリア!」
「あ! ユウスケ! アンリ!」
3校の生徒達だった。軍人に混じって四人も来ていたみたいだ。俺が声をかけると、最初に気づいたエマが皆を引き連れてくる。
「どうしたんだ? って聞くのもおかしな話しか……。まさか、魔族の幹部討伐に?」
「うん。やっぱり、放っておけないからね。前のクールまでで僕らが担当している西エリアの問題はほぼ片付いたし、こっちに協力しようかと思って」
ジョセフが皆を代表して答える。他のメンバーも同意見なのだろう、迷いなくうなずいていた。
「ちょっと話さないか? 俺達が調査して知ったことがあるんだ」
「でも、もうすぐ出発みたいでさ」
ジョセフが指差す先を見ると、軍隊が整列し、隊長らしき立派な鎧を着たおじさんが隊員達に呼び掛けていた。
「大事な話なんだ。この戦い自体の意味にも関わ――」
「異世界人様方! そろそろ出発しますぞ!!」
「あ~……ごめん。話を聞きたいんだけど、一緒に行くって言っちゃった手前、独断行動も出来なくて……」
「わかった。なら、あの軍隊も交えて話をしよう。このまま行かせるのは後味が悪いからな」
隊長らしきおじさんからジョセフ達に呼び出しがかかってしまった。そちらの様子を見ると、もう、すぐにでも出立してしまいそうだ。
だが、軍人はともかく、色々と世話になったジョセフ達にまで危害が及ぶのは困る。それも、こんな、戦う必要も無さそうな戦いで。もう軍人達も交えて話をするしかなさそうだ。
俺達はジョセフ達に付いて軍隊のもとに向かった。




