第2話 ステータスカード
「で、どうしたら異世界に転生させてくれるの?」
「そうねぇ……」
考えてなかったんかい!
「じゃあ、こんな感じでどう?」
なんかステータスカードみたいなのを渡された。
優しさ、勇気、面白さ
それぞれに0~100のゲージがある。
「これから色んな世界に行ってもらうから。そのポイントをためてきて?」
「どうやって」
「それくらい自分で考えなさい。じゃあ行ってらっしゃ~い」
つかまれて扉の向こうに投げ込まれた。
◆
みなさん、バンジージャンプって知ってますか?
そう、ヒモ一本で高いところから飛び降りるアレです。
何が面白いのかわかりません。
私は今、高い塔のてっぺんに立っています。
ヒモは……なんか細いのが一本腰についてます。
どうやったら帰れるんでしょうね~
――1時間後――
涙目になりながら飛び降りた。
――そして視界が暗転する。
◆
「遅い!」
コスプレ女はお怒りだ。
「そんな勇気あったらこんなとこ来ずに自殺してるわ!」
それもそうね、とコスプレ女。
「カードを見てみなさい」
ステータスカードを見る。あ! “勇気”が1増えてる!
「やったじゃない。一歩前進よ」
手のマニキュアを手入れしながら誉めてくれた。
【現在のステータス】
優しさ0、勇気1、面白さ0