第14話 ヤンデレ
「次はギャルゲーの擬似体験よ!」
おお! 楽しみだ!
「異世界でハーレムを築きたいなら、
女の子との会話テクを磨いてきなさい!」
扉に投げ込まれた。
◆
「ブラック社員く~ん!」
めっちゃ可愛い子が俺にかけよってくる。
ええやん! ええやん!
「一緒に帰ろ!」
通学路を一緒に下校する。
他愛もない話をしてるだけなのにめっちゃ楽しい!
「ところで、今日廊下で話してた女の子は誰かな?」
そんなことしてたっけ? 記憶に無いんだが。
「隠したって無駄だよ? 君のことは全部知ってるんだから。
廊下でその子と15秒もお話してたよね?」
え……?
「私がスマホにかけても全く気づいてくれないし、
そんなにその子とのおしゃべりが楽しかったのかな?」
スマホ?
……! 着信履歴が100件越えてる!
全部この子からみたいだ……
「私以外の女の子と話さないって、約束してくれたよね?」
「じゃあなんで約束やぶるのかな?」
「君は私だけのものなんだからダメだよ?」
「大丈夫、悪いのはあのゴミ虫だって知ってるよ?」
「これからは1日10回は電話欲しいな?」
……愛が、重い。
それから家に着くまで、会話を繋げるのに必死だった。
◆
「ちょっと自分にはレベルが高すぎました」
なにあれ! こわいよ!
「あはは! あ~ごめんごめん、ちょっと特殊すぎたわね。まぁ、なんとかやりこなしたみたいだし、<優しさ>にポイントあげる」
優しさが1上がった。
【現在のステータス】
優しさ4、勇気6、面白さ3




