第13話 チーター
「じゃあ次は予告しとくね? FPSの擬似体験です!」
え~……痛いのやだぁ。
「異世界行ったって痛いことはあるわよ?」
行った行った、とつかまれて扉に投げ込まれる。
◆
よし! 今度はそう簡単に死なないぞ!
みんなから離れた場所で装備を整える。
銃器、弾、防弾チョッキ、ヘルメット、医療キット、カバン……完璧だ! よし、頑張るぞ!
お、敵発見!
……あれ? でもなんか、一人やたら強いのがいるな。
周りの人がバタバタ倒れてく。
結構、被弾してるように見えるけど……
やべ、俺の方にも来た!
銃で撃ちまくり、ほとんど当てても全然倒れない。
は?
相手も撃ってきた。撃ち方は素人そのものだ。
そんなん当たらな――
銃口が不自然に追尾し、全弾俺にヒットした。
――視界が暗転する。
◆
「チーターうざいわ!」
心の叫びをあげる。
「でもあんたも異世界でチート能力欲しいんでしょ?」
うぐ……! 痛いところをついてくる。
そ、そうだけど! みんなを幸せにするような……
「はいはい。あ、ポイントは勇気につけとくわ。あんた、意外と物怖じしないのよね」
勇気が1上がった。
ほめられちゃった。
【現在のステータス】
優しさ3、勇気6、面白さ3




