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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
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第100話 ファティリタス復興編 【第1クール】 <肥料>を撒く

――砂漠・森林跡地・家――



「ふぁ……おはよーございます」

「おはよー」


 昨日クラフトスキルで建てた家の中で目を覚ます。家具とかは村で(もら)ってきたのをそのまま出して使ってるだけだが、一応は家としての機能を果たしていた。


 いつものごとく、アンリさんが朝食を振舞ってくれ空腹を満たす。


「今日はどうしましょうか?」

「植物の様子を確認して、それから考えるかな」


 朝食や洗面などを済ませると、俺とアンリさんは家の外に出た。


――森林跡地――



「流石に発芽(はつが)はまだか」

「昨日植えたばかりですしね。もうしばらく様子を見ましょう」


 昨日植えた作物――メニ―コーンとリッチビーン――の水撒きをしながら「早く出て来いよ」と声をかける。これほど植物の成長を心待ちにしたのは初めてだろう。小学校時代に植物の育成観察を課題で付けたことはあるが、アレは義務感の方が強かった。

 

 もちろん、ミニトマトの実がなった時は嬉しくて、収穫した日はサラダの一つにして家族でわいわい言いながら食っていい思い出になったけどな。



「こっちも変わらずか」

「そんなすぐには変わらないですよね」


 枯れかけた樹の幹を撫でながら見回すが、周囲の土を入れ替えた昨日と変わりは感じなかった。



「う~ん……植物の様子が良ければこのままのやり方で範囲を拡大しようかと思ったけど、まだよくわからないな」

「<肥料>とかを作ってみます?」

「そうだな。実はハンナさんから錬金術レシピを教わってるんだ」


 アンリさんの提案を受け、肥料を作ることに。<ストレージ>から錬金窯と撹拌棒を取り出す。


「う~ん」

「どうしました?」

「いや、外でやってもいいんだけど、こう、なんか……<アトリエ>みたいなのが欲しい」


 俺の我儘で、アンリさんと一緒にアトリエ作りから始めることに。家の中でもよかったんだけど、匂いとかを気にして、別の建屋を建てることにした。


「昨日の要領で建てましょうか」

「だな。今後、錬金窯以外の物も置いていくかもだから、やっぱり広めがいいな」


 昨日家を建てた時と同様、素材から石材ブロックや木材ブロック、扉や格子窓を必要な分だけ生産し、家から少し離れた場所に土台から作っていった。



「ふぅ……少し慣れたからか、早くに終わったな」

「ですね。相変わらず四角いですが」

「まぁ、今は家屋として機能してればいいよ」


 相変わらず豆腐型の建屋だが、今はとにかく使えればいい。クラフトスキルレベルが上がったからか、ある程度の家具や小物も作れるようになった。<木の看板>を作成し、「アトリエ」と書いて家の外壁に貼っておいた。早速中に入る。


――アトリエ内――



「こんなもんかな」

「いい感じですね!」


 錬金窯と撹拌棒を設置し、クラフトスキルで木のテーブルや椅子を作って置いてみた。ランプはまだ作れないので、家にある<壁掛けランプ>を一つ持ってくる。何も無いよりはいいだろう。


「じゃあ、<肥料>を作ろうか!」


 俺はストレージから必要な素材――薬草や水――を取り出して、錬金術で肥料を作成した。


 <肥料>

 ……土壌に使用することで、栄養豊かにする。


 アイテム説明欄はまんまだが、効果があれば何でもいい。俺はその後も続けて肥料を生産した。


――昼休憩後――



「じゃあ、肥料を撒いていこうか」

「はい。私は作物の方をやりますね」


 いい時間になっていたので、昼休憩を取り、俺とアンリさんは枯れかけた樹木や作物の土に肥料を撒いていった。


「早く元気になれよ~」

「ユウスケさん、こっちも終わりましたよ」


 肥料を撒き終え、樹の幹を撫でながら俺が樹に声を掛けていると、アンリさんの方も終わった様だ。余った肥料を持ってこちらに近づいて来る。


「まだ時間がありますね。どうしましょうか?」

「あんま()いても仕方無いけど、そうだな……水や油とか、素材とか、色々集めておきたいな」



――俺達は、周囲の地形確認も兼ね、辺りを探索してみることにした。



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