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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
ショートコメディ編
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第1話 異世界転生塾

 

『異世界転生』


 ふとしたきっかけで他界し、ファンタジー溢れる世界に転生し好き放題する。チートスキルを得て常識外の力を手にいれたり、何故か美少女だらけでモテモテだったり……一種の理想郷とも言えるだろう。


 そんな異世界転生を望む一人の男がいた。男はブラック企業に勤め常に疲弊しており、毎日のように異世界転生を望んでいた。


「でも死ぬの怖いしなぁ」


 「死=異世界転生」と考えてしまってる時点で病んでいる。何故こうも短絡的なのか。男はどうにか転生しようと色々なラノベを読みまくる。


「刺されて死んだり、車に轢かれたり、ろくなのがねぇ……」


 痛いのは嫌なのだ。怖いのも嫌なのだ。でも楽になりたい。でもいい案が思い付かず、いつものようにネットサーフィンをする。


「なんだこれ?」

 怪しいサイトを見つける。


『異世界転生塾』生徒募集中!体験入学(無料)受付中。年齢不問。


 ……YouT○ber塾と同じにおいがする。はやりに乗っかった商売ってやだね。サイトを閉じようとするが……綺麗なお姉さん講師の写真に動きを止める。た、ただで体験入学できるみたいだしな!ちょっとやってみようかな……

 

 体験入学の申し込みボタンをポチる。利用規約の文書が出てきた。無料ってとこだけ確認して「同意」をおす。


「お申し込みを受け付けました」


 いつどこに行けばいいんだ?それすらも調べてないことに気付き探そうとするが、


――急に視界が暗転した。



 どこだここ?

 暗い部屋だった。周りを見ても誰もいない。


 カッ!


 突然スポットライトがついて、コスプレ女を映し出す。

 閻魔大王っぽいコスプレだった。って言ってもわからんよね。なんか偉そうでエッチだった。あ!サイトで見た綺麗なお姉さんじゃん!


 すぐさま美人局を警戒する。怖いお兄さんはいなさそうだが……


「ようこそ、異世界転生塾へ!」


 うん、知ってる。黙ってうなずく。


「あなたはどんな異世界転生がお望みかしら?」


 そうだな……


「イケメンで金持ちで強くて、可愛い女の子達をたくさん嫁にしたい」

 

「ずいぶんストレートね……いいわ、そんなあなたの望みを叶えましょう!」


 大きな扉が現れた。ゆっくり開くと、中から光がもれてきてまぶしい。


「さあ! この扉をくぐればあなたの新しい世界よ!」


 男はウキウキで扉に飛び込んだ。



 暗い。どこだここ?


 あ、なんかいい匂いがするな。匂いの元へ向かう。あ、光がまぶしいぜ!


「きゃぁぁ~っ!?」

 女性の悲鳴だった。


「どうした!?」

 男の声もする。


「ご、ごき、ゴキブリがぁ……!」


「任せろ!」

 

 ちょ! やめ! ……プシューってまさか! ……あ、もう無理……


 再び視界が暗転した。



 コスプレ女のいる暗い部屋再び。


「ゴキブリじゃねーか!!」

 男は全力でツッコむ。


「異世界に転生したいんだよ! 何でゴキブリなんだよ!」


 コスプレ女は「はぁ~っ……」と大きなため息をつく。


「異世界にだって選ぶ権利くらいあるわよ。あんたは異世界に行く資格は無いの」


 はあ!? 塾名詐欺じゃねぇか!


「別に必ず行かせるなんて書いてないわよ。それに、異世界に行けるように教育する塾だし」


「帰るわ」


「あ、無理よ? 利用規約に同意したでしょ? もう向こうにあんたの身体無いから」


 ……体験入学じゃねぇの?


「ゴキブリの生を体験させてあげたじゃない、無料で」


 ひでぇ。


「もう諦めなさいな。あんたはここで、異世界に行けるよう頑張るしかないのよ」


 世の中は相変わらず無慈悲だった。

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