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Secret living together life  作者: 華愁
4/7

期末テストと佩川先生……

四人で話し合い、

雫は一ヶ月後に

引っ越すことになった。


恋人になった今、

私と一緒に暮らしているのが

何かと部が悪いのは

分かりきっていたから

それに対しては

別に言うことはなかった。


休みの日に三人で

決めて来たというマンションは

オリオン荘と学校の中間にあった。


*************************************


十月になり、オリオン荘は三人になった。


もうすぐ、期末テストが始まる。


そんな生徒も教師も

忙しい時期に問題が発生した……


ソレが解ったのは

後一週間で期末テストだという日に

勇人が大慌てで帰って来たからだった。


ガチャン 、バタンと慌てて

玄関に入って来た。


「どうしたんですか!?」


奥のキッチンで料理をしていた

私もリビングに行った。


「二人とも悪い❢❢」


いきなり小声で謝られて

泰佑と二人で首を傾げた。


『どういうこと?』


私達も声を落として話す。


理由を訊かないことには

私も泰佑も何とも言えない。


「どうやら、つけられてたらしい」


「しかも、犯人は

うちの学校の三年の学年主任だ……」


ありゃりゃ、それは困った。


その日は何の対策も

練られずにそれぞれ自室に戻った。


家を出る時間は二人の方が早いし、

相手が学年主任なら

少なくとも朝に会うことはないだろう。


しかし困った……


一週間後は期末テストだ。


厄介なことになった……


『二人ともお帰り』


何とか四日間無事に過ごし、

週末を迎えたものの、

このままでは

学年主任が何時また

オリオン荘まで来るかわからない……


だから、食材などは泰佑や勇人に頼み、

私は夕方以降に

外へは行かないようにしていた。


三人は前に

【 「此処に最初から住んでたのは

梓だし、生徒が住んでると

分かった上で此処住むと

決めたのは俺達なんだから

もし、何かあったら

それは俺達の責任だ」 】

って言ってくれたけど、

なんだか二人に悪い気がする……


確かに、最初から住んでたのは

私だけど、今は一緒に

住んでいるんだから三人で

責任を取りたい。


守られてるだけなんて嫌だ。


今日はテスト一日目。


二人が教えてくれたお陰で

何時もより出来そうだ。


さて、

三年の学年主任をどうするかだよね……


オリオン荘には勇人しか

住んでないと思ってるのだろう。


取り敢えず、テスト期間中は

来るのは無理だろう。


兎に角、この間に

作戦を考えなきゃね。


**夜**


「ただいま」


勇人と泰佑が帰って来た。


『お帰り』


「梓、聞いてくれ❢❢」


勇人がげんなりしながら言った。


『どぉしたの?』


話を聞くと、なんと佩川先生は

お弁当を作ってきたらしい。


どぉやら、“あの時”にいなかったみたい。


勇人は私が作ったお弁当が

あるから当然断ったら

その場で泣き出したらしい(苦笑)


雫もその場にいたみたいだ。


職員室は一時騒然となったと途中から

勇人の代わりに泰佑が

苦笑いしながら説明してくれた。


『大変だったんだね』


そりゃ、好きな人に

自分が作ってきたお弁当を

食べてもらえないのは

辛いし寂しいけれど

いい大人が

公衆の面前でマジ泣きはなくない?


「マジ勘弁してくれって感じだよ」


心身共に疲れているみたい。


『三人共、お疲れ様』


この場にはいない雫も

大変だったに違いない。


夕飯は勇人の好物の生姜焼きにしよう♬♡


『ご飯作るから

二人共着替えてきなよ』


ちょうど、出来上がった頃に

二人がリビングに戻って来た。


「生姜焼き!?」


心なしか嬉しそう。


『色々、疲れてると思ってね。

それに、生姜焼きは

勇人の好物でしょう♪』


佩川先生は多分

明日もお弁当を

作って来るだろう……


テスト期間中とはいえ

教師達は忙しい。


なんの策もたてられないまま

一日が過ぎてしまった。


********************************


**一週間後**


今日はテスト最終日。


とりあえず、テスト期間中は

何事もなく過ぎた。


動くとしたら今日だよね……


テストも終わり、

教師達も一段落した。


私は一旦帰り

着替えて近くのファミレスに向かった。


テストが始まってから毎日来ていた。


泰佑と勇人がいない

家は少し寂しいから

テスト期間中だけ

此処に来ることにしたんだ。


三人が引っ越して来る前は

何時も一人だったから

平気だったのに

いつの間にか寂しいと

思うようになっていた(苦笑)


**一時間後**


ファミレスを出て

近くの雑貨屋と

スーパーに寄っていたら

夕方になっていた。


今日は何を作ろうかな♪


********************************


オリオン荘に帰る途中、

誰かが付いてきているのを感じた。


佩川先生かも知れない……


私は遠回りし、

公園の木の陰に隠れた。


テストが終わり、

先生達も早く帰れるらしく

夕方頃には学校を出れると

泰佑が言っていた……


幸い、腐るような材料はない。


佩川先生は私を

見失ったからか

辺りを見回している。


何時までも此処に

いるわけにもいかないから

泰佑に電話を掛けた。


《梓、何かありました?》


泰佑がすぐに電話に

出てくれてよかった。


《実はね……》


買い物帰りに

佩川先生につけられて

オリオン荘の近くの公園にいることを話した。


《佩川先生はまだ居ますか?》


《うん》


最近、仲がいいから

私をつけて来たのだろう。


《わかりました、迎えに行きます》


《バレちゃうよ?》


私はいい。


最悪、実家に帰ればいいんだから。


だけど、泰佑と勇人は?


《構いませんよ

オリオン荘で

私達が一緒に

住んでいることさえバレなければ》


《わかった…… 待ってるね》


********************************


**数十分後**


「荷内先生!?」


泰佑が来るとは

予想していなかっただろう。


「こんなところで

どうされたんですか?」


泰佑に訊かれて

目が泳いだ。


「に、荷内先生こそ……」


明らかに動揺している。


「家に帰るのに

この公園を通ると近道なんですよ」


オリオン荘に帰るには

この公園を

突っ切った方が早いのは確かだ。


「今日は恋人と

待ち合わせなんですけどね」


ぶっ(笑)


泰佑、その設定は…… ぁははは


そして、暗に

邪魔だから帰れと言っている。


だが、佩川先生は

意味を理解していないようだ。


教師のくせに

理解力がないなぁ。


一瞬、泰佑と目が合った。


裏の出口から帰れということらしい。


私はオリオン荘まで走った。


********************************


「ただいま」


二十分後、泰佑が帰って来た。


『おかえり』


あの後、どうなったんだろうか?


気になる……


『泰佑、大丈夫だった?』


夕飯を作りながら気が気じゃなかった。


「ええ、知り合いに

電話して来てもらいましたから」


『どんな人?』


少し気になった。


「一言で言えば

大学時代の元カノです」


元カノ!?


見てみたかったかも(笑)


『別れたのに仲がいいんだね』


「今ではよき友人ですよ」


険悪な別れかたではなかったんだろう。


『名前を聞いてもいい?』


「勿論ですよ」


よかった。


「姫氏原緋依といいます」


ついでに写メも見せてくれた。


綺麗な人(๑º△º๑)


泰佑の話によると

姫氏原さんが来た途端

佩川先生は慌てて帰って行ったらしい。


あんだけ綺麗な人が

目の前に現れたら

そりゃねぇ(苦笑)


『私と勇人と

住んでるって

バレなくてよかったね』


そもそも、オリオン荘が

ルームシェアだということは

あまり知られていない。


「本当にそう思います」


手伝いますよと言って

泰佑がキッッチンに来る。


『気が向いたら

姫氏原さんとの

馴れ初め教えてね』


何時か、三人が

教師になったきっかけも

聞いてみたいな。


「いいですよ」


二人でキッッチンに立ち

今日も料理をする。


『ありがとう』


料理ができあがる頃

勇人が帰って来た。


それぞれ、今日あったことを

話ながら三人で夕飯を食べる。


こうして今日も一日が

過ぎていった。


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