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bye-bye クリスマス

作者: 神来社パック

「今年のクリスマスは雪降るんかなぁ?」


 教室の窓際、最後尾に座っているクラスのリーダー格である奴が言った。


 そんなつまらない半ば独り言のような発言に対しても陽キャどもは話題を構築し、盛り上がる。


 俺はこんな奴らが大嫌いだ。


 北国じゃあるまいし降るわけがないだろう。それに一体、そんな話をして何になるのか。といつも心の中で批判しながら一日を過ごしている。


 夕方、いつものように乾いたチャイムの音が響けば俺は逃げるように教室を出て、階段を飛び降り校門横にあるトタン屋根の駐輪場へ向かう。


 俺は錆びついた中古の自転車で登下校をしているが気温の低いこの時期は黒い手編みの手袋と白いボアの耳当てを装着して自転車に乗っている。


 そうして家に着くと、自分の部屋に駆け込み誰とも話さず俺の一日は幕を閉じる。


 そんな毎日を(こな)しながら日は過ぎていく――


***************************


 クリスマス当日。やっぱり雪は降らなかった。


 まぁ俺には降ろうが、降らまいが関係のない話だし、正直なところ興味もない。


 そんなことを思いながら、今日も一日を無駄に過ごす。



 チャイムが響き、駐輪場へ向かう。いつも通りだ。



 西日に照らされ、錆びれた部分が悲しげに光る自分の自転車の前まで行き、帰るための準備をする。


 この時、俺は一つの異変に気付いた。

 ――手袋がない。


 登校時には確実に着けていたはずなのに……


 手袋を探しに校舎へ戻ろうか迷ったが、ここに来る途中で不幸にも水をかぶってしまったため、寒くて仕方がなかった。


 おまけに今日は、訳あって昼食をとれていなかったので早く家に帰りたい気持ちでいっぱいだった。


 精神的にも肉体的にも疲労のたまり切った状態にあった俺は手袋を諦めて帰ることを決めた。



 だが、今日は本当に不運な日だったのだろう。


 学校を出て坂を下り、いつもの見慣れた赤いポストを曲がった時、雪が降り始めた。


 この日の帰りは手袋がないことと体が濡れていることが相俟(あいま)って、いつもの何十倍も寒く感じた。


 この寒さが俺にはとてもじゃないが耐え難いモノだった……




 この日の夜、一人親で稼ぎが少ない状況下にあった家庭の部屋で自ら命を絶ったと思われる死体が発見された。


 死体のポケットに入っていた遺書から察するに学校でいじめにあっていたようだ。


 クラスメイト全員から無視をされたり、私物を奪われたり、ひどい日には全身に水をかけられたり、弁当の中身を捨てられたと事細かに書かれていた。



 この年のクリスマスは豪雪だった……

幼い頃から小説が好きで、いつかは自分でも書いてみたいという気持ちがあり、今回初めてそれを行動に移すことが出来ました!

これが最初の作品になるので、文脈がおかしいところや分かりにくい描写などがあるかもしれませんがそれはご愛敬ということでお願いします。

最後にこの作品を読んで下ってありがとうございました!!


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