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WISH and DREAM  作者: 樋夜 柊
IKNOW編
38/55

第三十五話 目的とIKNOWの謎

「なぁ、アカネ」

「ん? どないした?」

 俺は貧民街を走りながら、ふと思った。それは、

「なんで、『IKNOW』は俺らのギルドや他のギルドを潰そうとするんだ?」

「え? 邪魔やからちゃうんか?」

「そうなんだろうけど、あいつらだって馬鹿じゃないだろ。周囲の状況だってわかるはずだ。だとすれば、ギルドが潰れたら王国が攻め込んでくることぐらいわかるだろ」

「う~ん、そう言われたら、たしかになぁ」

「・・・・もしかして、伝説・・・」

 そう急に言ったのは、コールスだった。俺はコールスの方を見て聞いた。

「『伝説』ってなんだ」

「ん? あぁ、この島出身の奴なら誰もが知っている『四神(しじん)』の伝説だ」

「お前、あんなの信じているのか?」

 俺はそう言ってコールスを細目で見ると、

「いや、すまん。なんか、頭にそれが浮かんでな」

 コールスがそう言うと、アカネが

「伝説って何?」

 と俺に聞いてきた。

「そうか、アカネはここ出身じゃないもんな。知らないか」

 と言って、俺は話を始めた。

「この島には昔から言い伝えがあって、各方角にある洞窟には、四神と呼ばれる神が封印されているんだ。昔、各国で大暴れしたとかで」

「あぁ、たしか、『白虎』、『朱雀』、『玄武』、『青龍』だったけ? 実在するんだ」

「いや、単なる言い伝えだ。ただ、あの洞窟はどこに繋がっているのかわからないんだ。実際、誰一人」

「どうゆうこと?」

「最果てに辿り着いた者はいないから」

 そう言って、後ろから急に男が現れた。

「・・・・お前、IKNOWか⁉」

「そうだけど、君達は誰かな?」


 バンッ‼


 そう男が答えた途端、コールスは発砲した。そして、男は倒れた。

「容赦ないな、お前」

「敵になぜ容赦しないといけない」

「まぁ、そうだが・・・」

 俺がそう言った時だった。

「・・・あぁ、死ぬかと思った」

 そう言って立ち上がったのだった。コールスが撃って倒れた男が。


             @


(あの、えっと・・・・)

(サキでいいわよ。あと、ため口でもいい)

 ギルド『追い風シルフィン』に助っ人としてきた私は、外に出てスコープを覗き、周囲を見張っていると、ギルド『黄金の大蛇』のフードを被った女の子、コル・ソニアがSCで頭の中に語り掛けてきたためそう返した。

(わかった。んじゃ、僕のこともコルって呼んでね)

(う、うん)

 そう苦笑して返すと、コルは

(それで、話しかけた理由なんだけど、『IKNOW』の目的について気になってさ。僕なりに考えてみたんだ。そしたら、さっきの女の人が去り際に気になることを言っていたんだ)

(というと?)

(『目的は達成した』って。僕はその目的が『今回の作戦』の事だとさっきまで思ってたんだけど、どうも違うような気がしてきたんだ)

(ん? その心は?)

(だって、『どの道奇襲は失敗しただろう』って言っていたから。なんでも組織が作った兵器がどうのこうのって。『どの道』とか、『だろう』ってことは、つまり情報を連絡していないってことだよね?)

(・・・つまり、他の目的があったってこと)

(僕はそうなのかなって・・・)

 とコルが返した時、私の耳にある振動が届き、

(伏せて‼)

 とコルに指示したと同時に遠く、南東の約二キロ先から銃声が聞こえたのだった。


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