第三十一話 友情と助っ人
「・・・正気か? カレン」
「無論、私は正気です」
そう言って、カレンは僕を沈んだ目で見た。明らかに正気ではない。僕はため息をつき、
「・・・わかったよ。カレン」
そう言ってナイフを抜いて言った。
「そういえば昔、僕はカレンとケンカしたことあったな。互いに殴り合うほどに。あの時の僕はSCがなかった」
「それは、今も同じでしょう」
「そうだな」
僕は後ろを向かず、
「ラットとアカネ。それから、トールス。君らは先に貧民街に向かってくれ」
「あら、行かせるとでも・・・」
「・・・行かせるさ」
そう言って、カレンの方にナイフの先を向けて言った。
「いいか、カレン。今からいつまでも僕が君の下じゃないってことを証明してやる」
そう言うと、カレンは鼻で笑って、
「そうですか。ならやってみてください‼」
そう言って、僕の方に向かって駆けて来た。
Φ
(・・・・)
僕は眼を瞑り、感覚を研ぎ澄ます。集中力を高める。そして、
(・・・そこ‼)
そう言って回し蹴り。しかし、手応えが無い。目を開けると、木が落ちていた。
(・・・・ここですよ)
(・・・なっ‼)
僕は振り返るが、それはもう遅く、蹴り飛ばされた。
(シャドウボクシング。感覚と集中力を向上させ、洞察力と思考力、勘のみで戦う常人には不可能な戦闘方法。噂程強くはないようですね。私との相性も悪いみたいですし)
(なぜ、僕に話しかけることができる?)
(なぜって・・・そうですね。あなたが始めに話しかけてきた時の感覚をそのまま残して心の中で思っているからでしょうか? まぁ、詳しくは私もわかりません)
そんな事はありえない。基本この僕のこのSCは一方通行だ。だから、僕から話しかけることはできても、相手が話しけることはまずできない。もちろん例外はある。僕が許可を出した相手だ。例えば、今回の選抜メンバーは僕に話しける事はできる。
しかし、僕が許可しない限り、例外はない。
(・・・ともかく。あなたは私に勝つことはできません)
僕はそう言われ、少し焦りつつ、
(・・・集中しろ、僕‼)
と目を瞑った。そして、
(・・・前‼)
そう思い、右フックをした。しかし、手応えが無く、
(・・・全く、学びませんね・・・)
と腹に衝撃がはしる。そして、その衝撃は痛みへと変わり、目を開け見ると、お腹に左ストレート。吹き飛ばされ、壁に激突する。
(・・・・もういいです。終わりにしましょう)
そう言って、女は刀を抜いた。そして、僕に刀を向けたその時。
突然、何かに女は刀を弾かれた。そして、何かに驚いて刀を落とした。女は出入り口の方を睨みつけると、そこには銃を持ち、笑っている新たな女の人がいた。




