第六話 旅の始まり
嗚呼、ついに始まる。。。
いや待てよ?
破壊神?え?敵になってない?え?あれ?
〖秩序システムを維持するためには、闇と光が常に同じ力でないといけません。〗
いや、あの、なんで僕は破壊神?ってかお前誰やねん。
〖そ、そんな怖い言い方しなくてもいいでしょう?私はあなたに真実を教えてあげなくてはならないのです。改めて、私は鑑定士ネファー。あるいは女神ユグドラシル、とも呼ばれています。〗
は、はい。で、何の用でしょうか?
〖だーかーらー。真実を教えるんです。全宇宙について。〗
というと?
〖私は宇宙樹の一人として、また闇のピラーとして、力を示していました。〗
闇のピラー?宇宙樹?
〖はい。闇の力の中でも、強力な「ピラー」でした。〗
う、うん?宇宙樹って悪いものなの?
〖いえいえ、闇=悪っていうイメージは全く違います。光が悪になった時、闇が光を正す役割をして、闇が悪になってしまったときに、光が闇を正す役割なんです。〗
へぇ。初耳です。ちょっと驚きだわ。
〖それが。。。デュラン様が暴走してしまって、光が闇を「悪」にしたんです。〗
デュランってあの超生龍騎神デュランの事?
〖えぇ。全宇宙で最も力を持っていた創造神です。彼が我々を生み出し、造り上げました。〗
え?まじ?
〖ですが、光の力があまりに強くなってしまったがために、超生魔法を使ったんです。〗
なんで超生魔法を使う必要が?
〖多くの神々は光へと傾き、闇勢がどんどん減っていったんです。そこで、デュラン様は彼自身でその現状を変えるべく、彼1人で光と同じくらいの力を得ようとしました。しかし、「光の使者ウリエル」と名乗る者によって、禁断魔法を発動され、彼は理性を失い、目に見えたものすべてを食い尽くす、真の闇になってしまいました。〗
え?魔王様?え?
〖そこで我々は組織「宇宙樹」を作り上げ、『真実の子』としてこの世に誕生させた、それがあなたです。〗
え?どういうこと?つまり僕は何なの?
〖闇に生まれし希望の存在でした。しかしウリエルが奪ったのです。〗
つ、つまり。。。魔王様は敵なの?
〖はい。そして、ウリエルは我々の神眼を潜り抜け、あなたを宇宙へと流しました。〗
ま、魔王様が敵?ユピテル様も。。。?
〖あなたは究極の破壊神としてここに生まれました。それは全宇宙の秩序を保つため。ユピテルは光がすべてを超越する力としようとしています。〗
つまり、僕は闇で、破壊神なんだ。
〖はい。そして覇眼の持ち主。究極の力を持つ「最高神」としてこの宇宙の秩序を保ってください。〗
さ、最高神!?なんで!?
〖あなたは倒さなくてはなりません。創造神デュランを。倒したとき、破壊神であり創造神である最高神として、神々の王として、この全宇宙に君臨します。その時こそ、私たちが求めていた時!〗
ちょ!?結局最強チート級マジくそ強いLV9999のボスと戦うんかい!
〖この世界にLV9999なんてないですよ?LV999でカンストしますが?〗
魔王様と同じこと言うなっ!
〖とにかく、ウリエルに見つかるとまずいので、一旦念話を切ります。なにかわからないことや知りたいことがあれば申し付けください。〗
ちょっ!待てい!
〖少し出かけます。少々お待ちください。〗
ちょ?どこ行く!?
おーーーーーい!?
返事がない=どっかいった。
つ、つまり結局は倒さなくてはならないのか。
デュランを倒して、最高神!?ちょっと待て。
勇者が魔王になれないだろ!?なんで僕はなれるんだ!?
全宇宙の秩序を保つため?じゃあなんで魔王様は僕を?
奪うというより、なんか強くしてない?スライムをLV100にするようなもんじゃん。
なんでそんなことを。。。?魔王様。。。?何を。。。?
ってかなんであのネファーとかいうやつを信じなきゃいけねえんだ!?
そうだ!なにも無かったことにしよう!そうすれば僕はまお。。。
「だーれーがー『なにも無かったことにしよう』ですってぇー?」
こ、この声は。。。まさか。。。。
「そのまさかよっ!私をなめないでよね!?」
ちょ!?なんかここにネファーというやつがいるんだが!?
「ここの惑星割り出すのすごい時間かかったんだからね!?」
いやそういう問題じゃない!ネファーさん!しかもめっちゃ美人じゃないっすか!?魔王国モデル大会で優勝できるっスよ?
「あら。嬉しいわっ!」
いや待て!なんでここに!?ってか心読めてる!?
「ここにいるのはあなたを守るため。心は読めるわよ?」
な、なんで!?
「ウリエルの魂の欠片を破魂させて、私の魂を移植させて頂いたわ。」
い、移植!?ちょっとなにそれ!?めっちゃ怖い!
「つまり、魂にできた隙間を埋めただけよ。」
そういえばなんで魂いじれるの?魔王様もだけど。
「それはこの宇宙に関係するもの。秩序にね。」
つ、つまり?なんか怖そう。
「魂の輪は秩序の中にある。創造神デュランはそう決めた。」
魂の輪?ってあの死んだ肉体の魂がいって還元して戻ってくる的な?
「その死んだ肉体の魂がいって還元して戻ってくる的なやつよ。」
へぇ。。。って何で知ってんだ?
「あら、私の魂と記憶を植え付けちゃったみたい。」
いや怖っ!植え付けるってまさに寄生虫みたいじゃねえか!
「とにかく、まずは力を上げる!死にそうになったら助けてあげる。」
死にそうにならないと助けてくれないの!?
「当り前じゃない。器がどの程度か、確認するためよ。」
う、器!?なんの!?
「さっきも言ったぁー!最高神になるための器!」
あぁ。はいはい。分かりました。
「『はい』は一回で良い!さぁ早く倒して!」
は、はいいいいいいいいいい!!!
み、見つけた!
厳つい身体に長い太刀、角が生えてなんかヤバそう。。。
「そいつはゾディアック。二つ名は【鬼神】。LV395よ。」
ちょちょちょちょちょちょちょ!!!なんでこんな奴がいるん!?
「私が一緒に転移させちゃったみたい。てへっ」
いや「てへっ」じゃない!なんだこいつわぁぁぁぁぁ!
ちょ、太刀で斬り殺されかけたんですけど!?
「覇眼を使いなさい。」
は、覇眼!?あぁあれかってぇぇぇぇぇぇ!!!
今度は鞘も使って殺そうとしてるし!?
ってか地面地割れしてる!?なんつーパワーじゃ!?
「は、覇眼!石化!」
パキッ
うぉ!?石化しおった!?
「まぁそこそこね。石化耐性がついてなかったから勝てたわね。」
うぉぉぉぉっしゃぁぁぁぁぁ!
「あ、でも石化したから経験値入らないわよ?」
え?今なんと?
「け・い・け・ん・ち」
ノォォォォォォォォォ!!!!
うそぉぉぉぉぉん!!!!
「馬鹿ね。。。覇眼の種類知らないの?」
そ、そんな。。。経験値。。。戦いの時間を返せぇぇぇ。。。
「覇眼の種類知らないのって聞いてるでしょっ!!!」
は、はいいいいい!知りませんんんん!!
「石化、麻痺、毒、恐怖、破魂、深淵、重、忘却といったところね。」
と、言われてもサッパリワカリマセーン
「。。。ふざけてるの。。。?」
え?なんか周りに目が。。。いや怖い。。。
「はい。今のが状態異常属性『恐怖』よ。」
頭から赤い目が離れません。。。
「そういう時は、『忘却』!」
え。。。?なにを考えてたっけ?
「今のが『忘却』よ。部分的だけ記憶を消せるわ。」
へぇ。。。?あぁ思い出した。恐怖は怖いやつか。
「石化、麻痺、毒、重は名前の通り。」
重は体が重くなるとかかな?
「ただ、破魂と深淵は私は使えないわ。。。」
え?さっき破魂使ってたじゃん。
「あれは魔法よ。私は神眼だから、石化、麻痺、毒、恐怖、重、忘却だけ。」
深淵ってなに?
「詳しくわかってない力よ。ただ、深淵魔術の力は秩序を壊す力があるというわ。創造神と破壊神のみが使える究極の力の一つ。そして覇眼もその一つよ。」
ち、秩序を壊す力。。。?
「えぇ。今度試してみるといいわ。」
え。そんな怖そうなもの使いません。
「えぇー。研究しようと思ってたのに。」
あのー。そんな顔してこっちを見ないでください。
頬っぺた膨らますのやめてください。変な感情が生まれます。
「へぇー。弱みにーぎったっ!」
いやちょい待ちぃぃぃ!!
「さぁ、行くわよ!デュランを倒す旅へ!」
え?ちょ?た、旅!?
「さぁ!早く!」
―――こうして僕の旅は始まった。
急すぎて何も準備できてないけど。
ネクスの力とは!?深淵魔術とは!?
後々分かりますよ。彼らの旅が始まりました。
力を求めるのではなく、力という名の恐怖を倒す旅へ。
ネクスとユグドラシル(ネファー)と魔王とユピテルの関係は!?
波乱の旅が今始まろうとしていた。。。!
こんなOP書きたかったぁー(´・ω・`)