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夏に知る
夏の暑い日 市場の日
広場に人が集まる日
南からきたお兄さんにもらった
貝殻をそっと耳に押し当てる
ほんとにざーって音がする！
エルナの眼が真ん丸になる
海の音だよとお兄さんが笑う
海ってどんなかしらとエルナが呟く
見てみようと僕は言う
エルナの手を取り走り出す
あたりで一番高い山から
南を見れば見えるんだって
てっぺんにつくころには汗だくで
お日様もだいぶ傾いてた
とおくとおくかすかに光る
あの小さなきらめきが
きっとあれが海なんだ
すごく大きいって聞いてた海は
ほんとにほんとにちいさくみえた
僕らが世界の広さを知った日
