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冬に始まる
冬の寒い日 吹雪の日
暖炉で薪がぱちぱち鳴る日
森のおばばに起こされて
僕は眠い目ごしごしこすった
やれ、よかったねとおばばがつぶやき
ごらんなさいなと母さんがわらう
母さんの腕に抱かれたその子は
しわだらけの顔 赤い肌
髪の毛だってまだなくて
ぜんぜん まったくかわいくない
かわいいでしょう?と母さんが笑う
唇を尖らす僕の前で
その子はパッチリ目を開けた
ぼくとお揃い 空色の瞳
パチリパチリと瞬いて
ぼくを見てあーと笑った
母さんもおばばも一緒になって笑う
この子はね、エルナっていうの
ねえ、はじめましては?
ぼく、お兄ちゃんになった