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NO.2『金持ちの学園』

白い宮殿のような学園、聖薔薇学園。周りには真っ赤の薔薇が植えられ、赤い絨毯がしかれている。

この聖薔薇学園は金持ちばかりが集まる学校。IT関係の社長や大臣の娘まで、色々な人間が通っている。

 その中でもトップを走るのが、宮塚財閥だ。みんなを圧倒してしまう気品。そして容姿。それが必要なのだという。

だから、こんな美しい学園でも、瑠華にとっては暑苦しいところに思えるのだ。

取り巻き、としてついてくるのははっきり言ってうざい。

「まぁっ瑠華様が来たわよ」

周りの女子も男子も口々にそう言って、赤い絨毯の道をあける。

「おはようございます!瑠華様。おかばんお持ちしましょうか」

うわ来た…と瑠華は内心鬱陶しく思っていた。取り巻きの連中が周りに群がる。

「結構よ」

やさしくそう言えば取り巻き達は微笑みながら後ろにつく。

いい加減鬱陶しいんだよ…。

瑠華はその微笑みの下でそう考えていた。

いつもと変わらない風景。周りはお金のことしか考えていない馬鹿な人間。瑠華はいい加減参っていた。

「瑠〜華ぁーーおはよぉ」

瑠華はその声を聞いたとき、顔を綻ばせて声の方向を向く。

「レナっ!」

彼女は西園寺レナ。この学園で瑠華の次に金持ちのお嬢様だ。瑠華とはまったく違う黄金の髪をなびかせて、瑠華に抱きつく。

「待ってたのよ」

にこりと微笑む彼女の顔を見ると、瑠華は癒される。まぁ、天然的美少女なのだ。

「まぁ・・・『アルテミスとアポロン』がそろいになったわ・・・綺麗ねぇ・・」

周りはまた騒ぎ出す。

アルテミスとアポロン、とはギリシャ神話の神で、月と太陽のことを意味する。つまり『月』は瑠華で、『太陽』はレナのことを言っているらしい。

 「今日はちょっと本を読んでてね。遅くなっちまった」

瑠華は耳元でレナに話しかける。

レナは、本当の自分を出せる唯一の存在なのである。


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