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RPG

RPG外伝最初の竜騎士

作者: 騎士星水波

  まだ、この地に帝国ができていなかったはるか昔のこと。


 前史3年。ノルランド公国。

 このノルランド公国は代々、伯爵アダム家が治めてきた小さな国である。人口は約二万人とこれまた小規模である。しかし、公国の国民は3つの大国に挟まれながらも商売をして利益を得てきた。

そのような平和を誰もがいつまでも末永く続いていくと思っていた。いや、信じていた…………。

この物語は、この世界の平和という名の秩序が崩れるまでの話です。


 ノルランド公国首都エイリア。

 この国の人口の約65パーセントがこの都市に集まっている。その首都エイリアの中心地に位置している伯爵アダム家の小さな居城…………その名もアダム城。名前の由来はそのままアダムから付いている。そのアダム城の一室………伯爵の政務室にある大きないすに腰をかけている一人の男がいた。


 彼の名は、「アダム」。


 正確にいうとアダム五世だ。アダム家の歴代当主の名前をアダムとするからだ。

彼は、まだ十六歳という若い年だが父のアダム四世が昨年亡くなったことで若くしてこの国を治めているのだ。


しかし……………。しかし、彼が伯爵に即位した日からノルランド公国の力は衰え始めてきた。なぜなら、周りの三大国が軍備を拡大してきたからだ。

北のナトリウム帝国。大陸最強の騎馬隊を所持している帝国である。


南のアルミニウム王国。大陸最強の兵器を所持している王国である。


西のネイビ連邦。大陸と島部を領土としている大陸最強の水軍を所持している連邦である。


伯爵アダムは、ここ何週間も政務室でこの近隣三国の動きが気になっていた。


「くそう。一体どうすればいいんだ」


「大丈夫ですか? 当主。今日でもう20日目ですよ。同じような言葉をつぶやくのは」


 彼の悩んでいる横で、彼の腹心である長身のメガネをかけた女性イヴはアダムに話しかけた。


「あの三国に対して私の剣で戦い勝てば、最強の当主にして最高の国として生まれ変わることが出来るのにな」


 「そんなこと言って、一人であの大国に勝てる訳ないでしょう。あなたはこの国の最高権力者として軍の指令をすればいいですよ」


「そんなこと私には出来ない。私のこの右手が戦いを欲している。私が戦わなければ」


「はい、はい、いいですよ。いつもの子供みたいな言い草は。本当に当主になっても昔みたいに子供なんだから」


この2人の会話は他の人から見れば、楽しそうに話しているように見える。しかし、この2人はまったく違う想いでいた。話の内容が深刻なのでとても重苦しい様子であった。そしてそこにさらに追い討ちがかかる。


「伯爵、ナトリム帝国が、帝国が動き始めました。約2日後には国境に迫り、攻めてきます。今すぐ兵を動かしてください」


「…………」


 アダムは何も答えることができなかった。報告をしてきたのはこの国の軍のトップを司り頭が切れる男オリトだ。


「伯爵はこのままでいいのですか? あなたの代でこの国を滅亡させてしまっていいのですか? この国の民のため今、決断してください」


ノルランド公国の軍の参謀兼連隊長のオリトがアダムに対してすごい人相で意見を言った。


それに対してアダムは……………。


「そんなことできるわけないだろ! いいか私は、私は国の民のためならばこの身も捧げるっ! だからこそ………」


そうアダムが怒って言うと、政務室から出て行った。


「伯爵っ! 一体どちらへいかれるのですか? 待ってくださいっ」


オリトはアダムを止めようとしたが、アダムはその静止も聞かずそのまま城から出て行った。


「許せ…」


彼は一言しか発しなかった。

 アダムが向かった先は、今は亡き先代の父アダム四世の墓である。そして、その隣には顔を見たことがない母の墓がある。


「父さん、母さん私はどうすればいいのでしょうか? まったくわかりません。教えてください」


手と手を合わせて祈った、ありったけ願った。


「どうかこの国を救ってください」


 アダムは決意した。アダムは墓の近くにある竜王の(ドラゴンズ・バレー)と呼ばれる谷に向かった。谷間での道はとても険しい獣道だった。途中何回も引き返そうとした。

しかし、熊やらイノシシなどといった獣に追いかけられて引き返すことが出来なくなってしまっていた。 何時間も迷い、竜王の谷で最も高い丘に着いた。

アダムは丘から崖に向かって走り出し飛んだ。

そう、アダムは自分の犠牲でこの国を救おうとしたのだ。


「父さん、母さんごめんなさい。この国は私の代で終わりです。これも民を守るための義なんです」


彼はゆっくり目を閉じた。


 この国は、一体どうなってしまうのだろうか…………………まあ、これでアダム家も断絶だな。ノルランド公国は他の3国のどこかに併合されてしまうのだろうか。

まあ、もう関係ないしいいかな。


アダムの意識はだんだん薄れていった。


(これが死か…………………………………)


アダムは自身が死んだのだと思った。しかし、それが間違えだったとすぐに気づいた。アダムの消えかかっていた意識、感覚が戻り始めたからだ。


「ああ」


 アダムはゆっくりと目を開け目の前にいたものにおどろいた。


[竜]。


そう竜がいたのだ。他の3国ではドラゴンと呼ばれている幻の生物だ。この世の中には存在するはずがない生物だ。そういう生物だ。


「青年よ、命を粗末にはしてはならないぞ。我の名はオーディン。お前の周りにいるノルランドの7竜の頂点に立つ竜だ」


 周り………そう言われて周りを見渡した。アダムの周りにはオーディン以外に6匹の竜が囲んでいた。


 水色の竜。

 青色の竜。

 黄色の竜。

 赤色の竜。

 茶色の竜。

 緑色の竜。

 この6匹の竜がいた。

 どれも大きい。場の威圧感が尋常ではない。アダムにはただ、それだけは読み取ることができた。


 「青年よ、汝の望みはなんだ。汝がこの山に入る時から様子を見せてもらっていた。汝は悩んでいるな。我は何でも願いを願ってやるぞ」


 オーディンと名乗った白い竜はそのように語った。アダムは願いを言おうか言わないかで悩んだが言うことにした。


 アダムの話を聞いたオーディンは、それに対してアダムが予想もしなかった言葉を返した。


「なるほど分かったぞ、青年。でも、その前に汝に感情を与えよう。汝は国の為といい感情をずっと押し殺して非情でいるだろう。だが、感情というのは汝ら人類に与えられた最高の権利だぞ。それを捨てるのはもったいない。ほれ、我にとって動作もいらないことだ」


オーディンが言い終えると、アダムの周りに黄色い閃光がはじけた。

 しばらくすると……。


 「私は感情を押し殺すことで、自分自身の気持ちを犠牲にこの国のことだけを考えようとしてきた。だから、もう泣かないと決めていたんだ」


 私は涙を流していた。何て懐かしいのだろう。この感覚は。そして私の話を聞いたオーディンは私にあるものを授けてくれた。


「汝のために我らが力を与えよう。我らが与える力は魔法というものだ」


「ま、魔法?」

 

 アダムは聞き慣れない言葉に戸惑った。オーディンはアダムに向かって不思議な光を放ちアダムに力を分け与えた。


「こっ、これは?」


アダムは新たに大剣を装備していた。この大剣はとても神聖に感じることができた。


「その大剣からは数々の魔法を放つことができる。もちろん大剣で無くてもできるものはある。我らの力は汝らに分け与える。さあ今から我らの地ノルランドへ戻るぞ」


そう言い、アダムはオーディンの背中に乗り他の6竜と共にアダム城へと飛んだ。


アダムはオーディンらと共にアダム城へと帰ってきた。それを迎えたのは、イブとオリトだった。


「伯爵、よくぞ帰ってきてくれました」


オリトの顔には安堵からか目にはうっすらと涙がこぼれている。


 「オリト本当にすまなかったな」


 「しっかりしてよ、次こそは」


イブも泣きそうになっているのを抑えてあえて文句を言ってくる。


 「もう大丈夫だイブ」


お互い謝罪しあい、つぎに竜について説明した。


「なるほど、魔法とやらがあれば我が国にも勝利する確率が上がる、いや勝てる」


オリトが納得した表情でいた。城の外で待機しているオーディーンと窓越しに会話をする。。


「では、オーディン済まないが全兵士に魔法を与えてくれないか?」


「我は汝を導くものである。汝の意見には反対はしない」


「ありがとう。ではオリト。全兵士を集合させよ」


「はっ」


その後、全兵士を広場に集合させて7匹の竜がそれぞれの者に魔法を与えた。


「全兵士に告ぐただ今より戦争を開始する。ただ私の願いは皆生きて帰ろう!」


 「「「「「「「「おおー」」」」」


兵士達の歓声が上がった。兵たちの士気は上々だ。これならいい戦いができるであろう。


ノルランド公国北部ナトリウム帝国国境地域


「伯爵、そろそろナトリウム帝国軍が来ます。指揮を頼みます」


「ああ分かった。イブ、医療班の準備はどうだ」


「大丈夫よ」


「皆生きて帰ろう!」


おおお! と私の言葉の後に兵士たちの歓喜が続く。


 「オリト大佐より連絡。あと五分ぐらいで来ます」


「了解」


そして、ついに戦いが始まった。


 「やあああ」


 ナトリウム帝国軍の兵士達が攻め込んできた。しかし、武器は刀だ。ただの。


 「我々の力を見せてやるぞ。行くぞー!」


私は叫んだ。


「火炎弾!」


味方の一人が炎の魔法を発動した。巨大な火の玉がナトリウム帝国の兵士に向かって降り注ぐ。


「なんだこれは~」


「熱い~」


ぎゃあぎゃあ敵は騒いでいる。


「水流泡」


今度は水の魔法が発動した。


「溺れる~」


「助けて~」


我々は余裕で勝ちそうな勢いであった。


「なめるな。我らナトリウム帝国軍を。我が輩はナトリウム帝国軍大将ユウだ。貴殿等の大将は誰だ? 勝負しろ」


 敵の大将が自ら名乗り出てきた。こういう時は私が行くべきなのか。


「私がノルランド公国ぐ――」


「俺がノルランド公国軍大将オリトだ」


「なっ!? オリトどうしたんだ。何で――」


「伯爵、あなたが死んだらどうなるのですか?そのへんも考えてください」


「………すまない。頼んだ。だが死ぬなよ」


「了解! もちろんですよ」


こうしてオリト・バーカス対ユウの戦いが始まった。


  「オリト……」


 私はオリトを戦いに見送った。


「ではいきますよ」


敵の大将ユウが言った。


 「ああ」


「せいやー」


 ユウはオリトに向かって剣を片手に突っ込んできた。しかし、オリトはその場を動かない。


「……電磁砲」


ぎりぎりまで引き付けたオリトは雷の球を作り出して放った。そうすると敵の大将ユウは悲鳴を揚げて地面に伏した。


「おまえ等の大将ユウは死んだ。俺らの勝ちだ!」


「わぁぁぁぁぁぁぁぁ」


私らの軍勢は歓喜を揚げた。


 私たちは戦争に勝った。このことは、他の国にも広がり[ノルランド公国]の立場は一気に跳ね上がった。


 「伯爵やりましたね。これでこの国も安泰ですね」


イブは私に対して感想を述べる。


「本当ですよ、あれから1ヶ月いまだ民衆や他国の商人、政治家などでは騒がれているみたいですよ」


オリトは、皮肉っぽく言っているが顔は正直で笑みが漏れている。


「まあ、すべてはオーディンのおかげだからな。あとでお礼を正式にしなければならないな」


「そうですね」


「……そういえば今日は見てませんねオーディン殿」


 オリトが何気なく言った。


「確かに、少し探してくる」


「気をつけてください」


イブは心配してくれた。


「伯爵、護衛しましょうか?」


「いや大丈夫だオリト。お前は国の防衛でも頼みたいな」


「はっ」


その後、オーディンを探しに外へ出て行った。


「オーディン、オーディン」


名前を呼んだが返事はなかった。


「どこへ行ったんだ?」


そう考えていた次の瞬間……………。


「アイスハンドっ」


「なっ!?」


 突然後ろから氷の手が襲ってきた。おそらくは氷の魔法だろう。俺はその攻撃を素早くかわして攻撃がした方向に振り向いた。


「誰だっ!」


 後ろから現れたのは……………。


 「お前は………ヘル」


 そこにいたのは七竜の一匹、水色の体を持っている氷の竜ヘルだった。


「オーディンに選ばれし者よ。いいか私はお前を認めない。お前はもう死ぬ運命なのだ」


「死ぬ運命……。おいっどういうことだよ! オーディンはどうした!」


 私が怒って問い詰めると………。


 「オーディンは私が殺した」


「!」


オーディンが死んだ………。信じられない。信じられない。死んでないはずだ。あいつが死ぬはずはない。


「まあ嘘だと思っていろ。どうせ今からお前を殺してやるからよ」


 「貴様ー。許さないぞ」


「それがなんだ。むしろお前らなんかに許されたくはないな。アイスオブエンジェル」


 ヘルが魔法を発動した。そうするとヘルの体は竜の姿から変化をし人間いやまるで神に近づいたような姿をしていた。


 光の輪が頭にのり、目がオッドアイになっていた。


 「いいから死ねぇ~死ねぇ死ねぇ死ねぇ死ねぇ~人間なんてごみは死んでしまえ~」


「光の裁き!」


私はオーディンに教えてもらった最高の最強の魔法を発動した。

光の裁き。これは、光属性の魔法であり、闇つまり邪悪な心を持つ者のみに効く魔法だ。ヘルはどうやら私たち人間が嫌いみたいだからこそやっつけてやる。


「ジャイアントアイス・ダークソード」


 ザクッ。

 嫌な音がした。なんだこれは。


「なんだこれは」


 よく見ると自分の横腹に邪悪な色の禍々しいオーラを出した巨大な剣が刺さっていた。


 「私はもう一つの属性を持っているのだ。それは闇属性。お前は闇に沈め」


 …………。オーディンすまない。敵を討てそうにない。諦めた次の瞬間、何者かがヘルを斬った。


 「私はもう一つの属性を持っているのだ。それは闇属性。お前は闇に沈め」


…………。


オーディンすまない。私には敵をヘルを討てそうにない。


諦めた次の瞬間、何者かがヘルを斬った。


「ガハッ……どこの誰だ! 邪魔する奴はっ!」


「全くお前は自分の王も覚えていないのか」


この声は懐かしい。いつも聞いていたあの声だ。


「オーディン!」


「すまないな、アダム。ヘルに不意打ちされて隠れていたのだが………これは最悪な展開だ」


「ヘルの属性か」


「ああ、このままじゃ奴に全滅にされてしまう」


「他の竜は?」


私が質問すると、


「奴に石化させられてしまったよ。奴は相手を石化させる魔法を使えるからな」


 「そうさ、オーディン貴様もくたばれ」


 石化魔法ストーンストーン


「神の裁き」


うっ眩しい。なんなんだこれは。


「私の切り札だ。平伏せば許すぞ」


強い。これが最強の竜。


「……誰がひれ伏すか」


「そうか………ならば死ね」


オーディンがとどめを刺そうとしたとき


「そこにいるアダム。死ねぇぇぇぇぇぇ」


ヘルは私に向かって攻撃をしてきた。しまった。完全に油断していた。これはよけられない。しかし、


「ガハッ」


オーディンが私を守ってくれた。


「オーディン!」


「はぁはぁ。アダム、お前は光だ。いずれ時が来ればヘルはまた暴れるだろう。その時また止めてくれ」


「オーディン………」


「我はもうダメだ。その前に汝には未来に逃げてもらう。許せ時空間魔法タイムトラベル」


「一体何を考えているんだオーディンオーディン~」


しかし、その声は遅くオーディンは石化し私は時空の狭間にとばされた。


「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 私は私は…………俺はどうなるんだ。



ごん。鈍い音がした。


「ここはどこだ? 俺は一体?」


全てはあの時から始まった。あの事件さえなければノルランドの地に連合国もできず魔法が無ければ魔導器も作られず帝国は生まれず皇女リーザがあんなことになるはずはなかった。


 全てはあの時から始まった。それを知っているのは…………。



 この作品は、RPGでいうと第3章のまえにあたる話です。自分が友達向けに送っているギルドマガジンにおいて別枠で連載していたので短編ということにしました。

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