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風呂上りの牛乳ほど最強なものはない

またまた1ヶ月ぶりの更新です・・・・・・。なんとか4月中に更新できました;;ギリギリセーフ!

「しっあわせ〜!!」


 ざばーんと頭から湯をかぶる。少し熱めのお湯がほくほくと湯気をたてる。もくもくとした湯気にまみれながらざぶんと湯船につかる。


 これぞ天国!!


 久しぶりの暖かいお風呂に胸がいっぱいになる。日本人の遺伝子がそうさせるのか、嬉しすぎて目の前が霞んできた。満天の星を見上げながら、鼻をすすった。

 すると横から頬をべろりとなめられた。その正体を知っているわたしは、ぶるぶると頭を振ってそちらを向いた。

 

「みーちゃんも気持ちいい?」


「ぐぅ」


 すっかり毛がぺったりと体に張り付いてしまったみーちゃんは、いつもより()せて見える。それでもガシガシと擦ってあげると満足そうに喉をならした。


 きゃー、濡れててもかわいいーセクシー。


 みーちゃんといちゃいちゃしつつ、どんどんと体を洗っていく。久しぶりの風呂を堪能(たんのう)し、ざばーと泡を流す。

 風呂から上がってぶるぶるとみーちゃんが派手に水を飛ばす。わたしは自分の体を拭き、服を着てからみーちゃんの体に残った水気をとることにした。大きな布でわしわしと拭いていく。


 せっくしぃなの〜きゅうっとなの〜どっちがすきなの?とちょっと懐かしい歌を口ずさみながら拭いていると、ふと横から新しい布が手渡された。差し出してくれたのは恰幅のいい女性だった。しかしながら太く形のよい眉が頼もしい印象をもたせている。女性の好意に自然と笑顔になる。


「すまーじ!」


 覚えたてのお礼の言葉を言いながら布を受け取った。


 ・・・・・・さて、どうしてこうなったんだっけ。





〜回想〜







 みーちゃんに吹っ飛ばされた男性2人を救出し、初めて会う男性が自己紹介をした。名前しか聞き取れなかったけど。

 茶髪のお兄さんはエディというらしい。かなり細身で、リックさんとは対照的だ。リックさんは結構がっしりとした体型をしているので並ぶとさらに細く見える。

 エディさんはしきりに笑顔でリックさんの背中や肩をばしばしと叩いていた。リックさんはそれを嫌そうな顔で受け止めていた。


 ふたりが何をしたいのか、何が目的なのかさっぱりわからず、わたしはずっと首をかしげていた。みーちゃんはわたしの隣でずっと2人の男性を睨んでいた。


 リックさんとエディさんは何事か話がついたのか、くるりとわたしに向き直った。反射的に体がこわばる。みーちゃんも同時に臨戦態勢に入る。

 エディさんはその様子に苦笑をして、わたしに片手を差し出した。


「      、    」


 こちらの世界の言葉で話しかけられたが、さっぱり理解できない。体をこわばらせたまま差し出された手を見つめていると、エディさんは肩をすくめて手を引っ込めた。リックさんが何かを言い、そこで少し口論になった。少しして話が収束したのか、再びエディさんがわたしに微笑んだ。

 こちらに近づいてきたかと思うと、背中に手をかけられエスコートするように小屋の外へ誘導された。


「え?え?」


 どうしよう。このまま付いていっていいの?


 わたしが逡巡(しゅんじゅん)していると、エディさんが「ギャッ」と悲鳴をあげた。後ろを振り向くと、みーちゃんがエディさんの足に体当たりしたようで、みーちゃんは体を低くして唸っていた。

 わたしはみーちゃんのそばに行って、首元を優しく撫でてあげた。みーちゃんは少し落ち着いたのか唸り声をひそめ、ふてくされたようにごろんと寝そべった。

 それにエディさんは感嘆の声をあげた。パチパチと拍手をしてこちらを笑顔で見ている。対してリックさんは、不機嫌そうな顔で頭をガシガシと掻いていた。

 そこで、この2人がここに来た目的が思い当たった。そういえば、すっかり忘れかけていたけど、この小屋はもともとわたしのものではない。実はエディさんはこの小屋の持ち主で、リックさんは持ち主をわたしの元に連れてきたってこと!?


「この、小屋は、あなたの、ものですか?」


 必死に身振り手振りでエディさんに尋ねる。エディさんは少し考えたあと、にっこりと微笑んで(うなず)いた。


 まじで!!?


 持ち主を見つけたら誠意を込めて謝罪しようとか軽く考えていたけど、いざ目の前に現れるとなるとテンパってしまう。え、なんか弁償とかあるんだろうか。お金なんて持ってないし・・・・・・!!


 心の中であせっていると、がばりと肩をつかまれ顔をあげさせられた。正体はリックさんで、あせった顔でなにか怒鳴っている。怒鳴られても何を言ってるのかさっぱりわからない。指差す方向をみると、みーちゃんとエディさんがなにやら見つめあっていた。・・・・・・仲良くなったのかな?

 (らち)が明かないと気づいたのか、今度はわたしの手首をつかんで強引に小屋の外へと引きずっていった。力が強すぎて少し痛い。でもなんか怒ってるっぽいし・・・・・・。

 ぐぅぐぅと唸りながらみーちゃんがとことこと後ろからついてきて、4人で小屋の外に出た。


「・・・・・・うま?」


 そこにいたのは馬だった。うま・・・・・・うん、馬。




 ・・・・・・・・・・・・・・・なんだろう、久々に見慣れた感じの何かを見たような気がする。


 あ、でもこっちじゃわたしの価値観のほうが変なのかも?

 それにしてもなんか懐かしい・・・・・・撫でてもいいかな・・・・・・だめかなぁ。


 ちらちらと男性2人と馬を見比べる。するとエディさんが察してくれたようで、わたしの手を馬の首のあたりに誘導してくれた。恐る恐る撫でてあげると、馬がこちらに顔を寄せてくれた。

 それを微笑ましく見ていると。馬が気持ちよさそうに鳴いた。






 

「めへぇ〜」








 ひつじ!?









〜回想終了〜


 そんなこんなで、めぇめぇ鳴く馬に乗せられなんだかよくわからない集落につれていかれた。たとえで言うなら、RPGで必ず最初による村的な感じの雰囲気がある村。

 入り口近くに「ようこそ、○○村へ」ってひたすら話しかける人は・・・・・・さすがにいなかったと思う。いや、べつにそれを30回くらい繰り返したことなんて・・・・・・現実にそんなことされたら、嫌だよね、うん。


 自分の髪をごしごしと拭きながら、過去に出会ったテレビ画面の向こうにいた村人Aに心の中で謝罪した。


 まあ村につれてこられ、腰やらお尻やらが痛くてふらふらしているわたしを連れ、いくつかあるうちのひとつの一軒家に入り、あれよあれよというまにリックさんとエディさん、そして先ほどの女性に接待された。食事を出され、食事のあとはそのまま風呂に案内され、ありがたくお湯を借りた。


 そして、借りたタオルを首にぶら下げて、素っ裸のまま脱衣所に仁王立ちした。ここに瓶の牛乳があったら腰に手を当てて一気飲みしているのに。みーちゃんはすっかり気持ちよくなったらしく、あくびをしている。


 その尖った犬歯も魅力的・・・・・・ネコ科でも犬歯なのかな?

 

 そんなことを考えながらもごもごと用意されていた服を着る。

 白を基調としており、サイズは若干大きめでゆったりとしている。小屋にあった服よりも上質な素材のようで、なんだか肌触りがとてもいい。


 ・・・・・・それはともかく、これからどうすればいいんだろう。


 手持ち無沙汰に突っ立ていると、バタンと先ほどの女性がやってきた。ニコニコと笑顔でわたしの手を引いて脱衣所を出る。そのままズルズルと引っ張られていく。みーちゃんもこの女性には唸ったりはせず、おとなしくついていく。

 そのまま案内されたのは建物の2階の1室。どうやら寝室らしく、ベッドが2つ置いてあった。女性が中に入れというジェスチャーをしてくるので、そのまま中に入った。

 泊まってもいいのかという意味も込めて、ベッドに座ると女性はそうだというように笑顔でうなずいた。


「すまーじ」


「ナーク。シブル、リ・アロッタ」


 笑顔で感謝を述べると、女性も笑顔を返してくれた。

 挨拶らしきことを言って部屋を出て行こうとする女性を引きとめ、名前のみの自己紹介をする。


「おみ、おみ」


「オミ?」


 問いかけにうなずくと、今度は女性が自分の胸に手を当てた。


「ダニエラ」


「ダニエラ?」


 にこりと笑ったダニエラさんにわたしは笑顔でお礼を言う。


「ダニエラ、すまーじ」


「ナーク」


 今度こそダニエラさんは部屋を出て行った。わたしはごろりとベッドに横になった。すると、お風呂のときは忘れかけていた腰やらお尻やらの痛みが再発してきた。

 みーちゃんもベッドに飛び乗って、ごろんとわたしの横で丸くなる。いまやすっかり大きくなってしまったみーちゃんのお腹に頭を寄せた。


「わたし、これからどうなるのかな・・・・・・。みーちゃんはずっとそばにいてくれるよね?」


 みーちゃんは肯定するように、慰めるように、励ますように、ぺろりとわたしの頬をなめてくれた。

 

 












 


感想いただきました~。ありがとうございます((´∀`*))

みーちゃんをかわいいと思っていただけてうれしいです!!


ひつじ大好きです。だって道産子ですもの。ジンギスk・・・・・・身近な動物なんです。

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