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第八話 友達でいてください
告白してから、数日が経った。
特別な変化はなかった。
連絡は続いているし、
話す内容も、これまでと変わらない。
あの日のことに、
触れないまま時間が過ぎていった。
振られた、という事実だけは、
頭のどこかに残っている。
でも、
引きずっている感覚はなかった。
仕事をして、
帰って、
いつも通りの生活を送る。
空いた時間に、
ふと、彼女のことを考える。
あのとき、
なぜ言えたのか。
答えは、だいたい分かっていた。
告白は、
相手の反応を期待してするものじゃない。
自分が、どうしたいかの問題だった。
言わないままでいる選択も、
確かにあった。
でも、
それを選ばなかった。
後悔はしていない。
少なくとも、今は。
数日後、
彼女からメッセージが来た。
他愛のない内容だった。
最近ハマっているゲームの話。
いつも通り、返した。
画面の向こうで、
彼女がどう思っているかは分からない。
でも、
関係を壊さない選択を、
彼女はしてくれた。
友達でいてください。
あの言葉を、
今は、そのまま受け取っている。
それでいい。
少なくとも、今は。




