半年ぶりに幼馴染から連絡が来た
半年ぶりに、幼馴染から連絡が来た。
「久しぶり。元気?」
たったそれだけの文章なのに、胸の奥が少しだけざわつく。
一度、告白して振られた相手だ。
それでも、年に一度か二度くらいは、こうして連絡を取り合っている。
付き合ってはいない。
でも、完全な友達と言い切るには、少しだけ距離が近い。
スマホを置いて、深く息を吐いた。
画面が暗くなっても、しばらく動けなかった。
小学生の頃、彼女はいつも活発だった。
外で遊ぶときは鬼ごっこの先頭にいて、捕まるよりも捕まえる側だった。
当時流行っていた携帯型のゲーム機を一緒にやったときも、
彼女は迷わず、赤い色の方を選んでいた。
理由を聞いたことはない。
でも、その選び方だけは、なぜか今でも覚えている。
ある日、なぜか彼女の家で二人きりで遊んだことがある。
どうしてそうなったのかは覚えていない。
ゲームをして、お菓子を食べて、
テレビでは夕方によく流れていた、少し騒がしいアニメが流れていた。
特別なことは起きていない。
ただ、それが「二人きりだった」という事実だけが、後になって残った。
同じ学年の頃、
中古の本やゲームが所狭しと並ぶ店で、偶然会ったこともある。
二人とも一人で、立ち読みをしていた。
気まずくて、少し笑って、すぐ別れた。
それだけの出来事だ。
五年生になる直前、
クラスで「誰が好きか」を聞く遊びが流行った。
冗談の延長で、彼女に聞いた。
返ってきた答えは、予想外だった。
何も言えなくなって、そのまま会話は終わった。
転校の日、彼女は泣いていた。
自分は、何もできなかった。
――そこまで思い出して、スマホがもう一度震えた。
「今度、時間あったら会わない?」
画面を見つめたまま、少し迷う。
それから、短く返事を打った。
「うん。空いてる日、教えて」
送信してから、また息を吐く。
また会うことになる。
たぶん、今回も何も起きない。
それでも、
あの日、駅前で告白したことを、思い出してしまった。




