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純文学&ヒューマンドラマの棚

旦那と手を繋ぎながら散歩する、寒い夜




「今からコンビニ行くけど、何か買うものある?」


 リビングでぼんやりとテレビを見ていると、旦那が聞いてきた。


「あ~私アイス食べたいかも。ス○パーカップのバニラ!」

「今12月だよ?アイスとか寒くね?」

「アイスは寒い時が一番美味しいの!」

「あっそー。じゃあ買ってくるわ~」


 そう言って旦那は玄関の方に行った。

 

「……」


 私は立ち上がって、ハンガーにかけていた上着とマフラーを着けると、旦那の後を追った。


「待って!やっぱ私も行く!」

「え?外寒いよ?」

「いい!こうすれば寒くないし!」


 と、私は旦那の腕に抱きついた。


「ちょっ、やめろよ。恥ずかしいじゃん」

「なによー!私とくっついてるところ誰かに見られたら恥ずかしいノォ?」

「違うよ、良い歳したおっさんおばさんがベタベタして歩いてたらなんか恥ずいだろ。10代20代じゃあるまいし」

「別に犯罪じゃないし、いいじゃん!てか、まだおっさんおばさんじゃないし~」


 と、私はぎゅっ!とさらに抱きついた。旦那はため息を吐きながら。


「わーかったよ」


 と、まんざらでもない顔をしながら歩き進めた。





「ありがとーございましたぁ」

「うおおっさむぅ!」


 お酒やアイス、お菓子等をごちゃごちゃ買ってコンビニを出ると、冷たい風がびゅうびゅう吹いていて。お店から出た瞬間、私と旦那はぶるぶると体を震わせた。


「は~…。よくこんな寒い時にアイス食おうとおもうな~」

「それあなたが言う?あなたこそ冷たーいチューハイ飲もうとしてるじゃん!」

「お酒はいいの!飲んでたらポカポカしてくるから。てか結局、お前も酒買ってたね。普段飲まないのに珍し」

「……たまには一緒に飲みたいな~って、あなたと」


 そう言いながら、私は旦那の手を握った。すると旦那も、私の手を握り返し「あっそ」と素っ気なくけれども、優しく微笑みながら言った。


 冷たい風が吹き過ぎる。

 下らない話をしながら、人通りの少ない夜道を2人で歩く。

 夜の外はとても寒いけどでも、その分繋いだ手がポカポカと暖かくて。


「たまには、手繋ぐのもいいね」

「……そうだね」

「ふふっ、ふふふ♪」

「なんだよ、キモい笑い方して」

「ふふふ♪好きだよ」

「…ぉ…も……」

「なんてー?」

「早く帰って酒飲みたいなって言ったの!」

「うそつきー『オレモスキダヨ』って言ったくせに」

「聞こえてるなら聞くなよ!……ったく」


 ぶんぶんと、繋いだ手を振りながらお家へ向かう。


 寒くてあったかい夜の散歩を、旦那すきなひとと楽しむ。




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― 新着の感想 ―
良いですね~。 なんか、こう言うのって、ウラヤマ〜♡ いーつまでも、変わらぬ恋人同士みたいな二人。 まー、改めて〝好き〟を口にするのは、男サイド的には恥ず〜っすよね。 照れない(照れてる?)奥さんも良…
読ませていただきました。 ほほほ〜素敵なご夫婦のお話ですね。 あちちち〜(笑)。 いつまでも仲良きことはいいですな。 ほっこりしましたぞ〜。 ありがとうございます。
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