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出会い


 比喩表現の中には『雷に打たれたような』という言葉がある。


 それは主に精神的な衝撃を受けた時に用いられる表現であり、衝撃の大きさを彩り伝えるための言葉だ。とはいえ実際に雷に打たれた経験がある者など、魔法と魔術が存在するこの世界でもごく少数だろう。実際僕も本物の雷に打たれた経験は無い。


 だが、僕が感じた衝撃は正にそれだった。魔法魔術学校の入学式、挨拶をするために壇上へ登ったあのお方のお姿を目の当たりにした瞬間、雷に打たれような衝撃を覚えた。あまりの衝撃に心臓が止まったかと思うほどの驚愕を覚え、世界から全ての音が消え去り、そのお方の事しか認識できない世界に落ちた。


 気付けば胸の鼓動は際限なく高鳴り、釘付けとなった目がそのお方の一挙手一投足、そして揺れる愛らしい獣耳を脳裏に焼き付けていく。呼吸すら忘れ酸素を取り込んでいないというのに、脳はかつてないほどに激しく回転し、そのお方が紡ぐお言葉を全て記憶していく。


 端的に言って異常な状態。どう考えてもおかしい。けれど自分がこんな状態に陥っている理由が、僕にははっきりと理解できた。


 この胸の中で燃え上がるような熱い感情。切ない痛みと甘い幸福を与えてくれる素敵な感覚。


 間違いない。僕の中に芽吹いた、この荒れ狂う感情の正体は――

⋇毎日投稿ですがプロローグは短いので今回だけもう一話投稿します。

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