凍てついた 硝子の泥濘 音を食む
冠の響き
2018/01/01
透き通るよな櫻ひらりと
そこに舞い落ち
敷き詰められる
2018/01/02
残り僅かな 儚い刻と
哭き出しそうな 私のこころ
温もりくれた 貴女の笑顔
失くさぬように 抱えていくよ
2018/02/09
そっと摘んだ
氷がするり
喉の奥まで
通り過ぎてく
日記
2018/11/24
誰の利害
にも関係ない
くだらない
事を呟きたい
2018/12/19
重力を求め 鋼をひた打ち
夢に誘われ 飢えを耐え抜くも
炎は炭喰い 果実を捥ぐ故
重力弱まり 私は浮遊す
2018/12/20
動乱あり
末路の世話をす
牢獄の
番の傍で
同胞らは
アムリタ飲み干す
味の程は
如何なるものかは
2018/12/22
夢の裾
揺らめき離れ
征き先の
うつつに消えし
虚ろなる襤褸
2018/12/22
粉を引き
朝も夜も
粉を引き
肉の削げるや
二度と戻らじ
2018/12/22
輝かし
嘗ての吾の
風の先
なべて行き着く
凪の海の辺
2018/12/22
偽りの
今が明日の
意地を張る
偽物なれど
逃げはすまいと
2018/12/24
百万言並べてみても伝わらぬ
2018/12/25
止まる朝
たれか知らずや
鉄塊の
血糊を見ずに
つつがなく立つ
2018/12/25
駅に立ち
奪わる時計
生き死にに
思いは馳せず
泡立つ心
2018/12/29
海の近くのあの場所で
僕を苛む潮騒に
耳を塞いだ瞬きも
ガラスの粉で覆われた
故郷の木々が手招きし
枝に誘った囁きも
息の根を止めることは出来なかったんだ想いを綴る事は
叫べ、昨日から逃げろ
2018/12/31
正月はプラスチックに包まれている
2019/01/02
暮れる日に
昏睡してゆく
片割れを
けれど黙って
帰依し見送る
2019/01/02
原罪の
具象的なる
戯画を捥ぐ
がぶりとかじる
午後の苦味よ
2019/01/03
世界には天秤ありて ぼくの声かすれるほどに澄むきみの声
2019/01/03
祝福は 過ぎたれば
呪いにも 似ていると
繰り返し 感覚を
言祝いで 気づいたり
2019/01/05
生きる為 海の熱
検温す 回遊魚
群れを見て 向かう先
気にもせず 検温す
2019/01/05
俺たちはフライパンの底で弾けそこなったポップコーンだ
2019/01/19
村長が 無を吐いて
人々に 火をつける
役人は 矢面で
綻びに 放心す
2019/02/07
暴君は 分断す
輝ける 混沌と
地に落ちた 秩序とを
盲目の 民衆を
扇動し 洗脳し
憎悪には 残酷な
懲罰を 誅戮を
正しさに 唾吐いて
2019/02/07
日記は途絶えている