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kurokuro 短編小説集

手紙

作者: kurokuro

歴史なのか?

私の名は、ロイロ。年は十八。私は現在、旅をしている。と、言うのも、私はある友人の元へと行くからだ。その、友人と言うのは、否。そもそも、その存在を友人としても良いのか分からないのだ。それは何故か、理由は簡単である。私は知らないからだ。彼と言っても彼女とも言って良いのか分からず、年齢さえも知らない。唯、分かるのは、スーヴェンと言う街に住んでいることだけである。五年だ。毎日欠かさずと言うわけでもない。と言うのも、一度だけ途絶えたことがあるからだ。何らかの事情があるのだろうが、それでも五年間手紙のやり取りをして、たったこれだけなのだ。しかし、性格とやらは出るらしく。字は綺麗で、しかし、言葉づかいに置いては荒く。良く、小説の話をするが、人の話しはしない。時々、酒の話しはするが、呑んだことが無い様子だった。今、思ったことだが、未成年だったのだろうか?


では、何故そんな知らぬ人の元へと、行っているのか。それは、一ヶ月前に遡る。

その日は、晴天だった。近所の子供は、外へと出、走り回り。老人は畑を耕す。若者は空を眺めながら、仕事へと出る。兎に角、素晴らしき日だった。その日も、私はポストから一通の手紙を出し、読んでいた。しかし、内容は悲しい物だった。それは、何故か。流行り病にかかってしまったらしい。それ故に、何時死ぬか分からぬ状態であるから、一度だけ会わないか? とのことだった。その手紙の字は、何時もより荒かった。そして、その時、私は初めて住んでいる所を知ったのだ。


そして、現在に当たる。スーヴェンと言う街は私が住んでいる、メラテラから遠かった。そもそも、スーヴェンと言う街があることさえも知らなかったのである。しかし、一ヶ月も旅をすれば道は見えてくる。始まりがあれば、終わりもあるのだ。私は今、最後の汽車での移動を終えたのだ。此処から、ただただ歩くだけなのだ。陽は、真上にある。沈むまでには、どうにか宿に着きたいものだ。さて、ここでスーヴェンと言う街について聞いたことを書こう。


スーヴェンは、自然豊かな場で、野生の鳥が多いのだそう。人工は少なく、それと同時に、大きな事件が起きることもない。そして、スーヴェンには百年間折れることも無く、生き続けた大木があるのだそうだ。

しばらくして、宿に着いた。今日は、ここまでにする。長旅だからなのだろうか、それとも、終わるからだろうか。兎に角、その日は、良く眠れた。


翌朝、私は宿で朝食を摂り出た。それから、二時間ほど歩いた時だ。私は後ろから足音がするのに気付いた。私は道を空けようとずれるが、どうやら違ったらしい。宿主だった。宿主は私の右手に何かを握らせ、両手で力強く握った。宿主は、ご友人からです。と、言いながら、手を離した。私は訳も分からなかったが、感謝の言葉を言った。困惑する私を置いて、宿主は、宿へと帰っていった。私は十二歩進んだ後、渡された手紙を開けた。手紙の内容は、謝罪文で有った。しかし、私はそんなことよりも走っていた。スーヴェンに在る大木の元へと、走っていた。三十分ほど経ち、私はスーヴェンへと着いた。私は、着いた矢先住民に向かって、大木は何処だ。と聞いた。住民は戸惑いつつも、岡ノ上だ。と指を指し教えてくれた。私は、大木の元へ駆けていった。


先程渡された手紙には、こう書いてあった。

「この手紙を読んでくれたかな? 今の私には分からないが、きっと君の、所へと届いているだろう。単刀直入に言おう。恐らく、この手紙が届く頃には、私は死んでいるだろう。そこでだ、私には心残りがある。それを、嗚呼、勝手ながらで申し訳ない。私も何分焦っているのだ。しかし、君にしか託せないことなんだ。だからこそ、直接言いたかった。しかし、私にはもう、時間がない。だが、ここでは言えない。だからこその、お願いなのだ。スーヴェンに在る、大木の、根本に在る赤い花。その花のしたに在るであろう箱を取ってほしい。そして、中にあるもう、一通の手紙を読んでほしい」


ここだろうか。私は、大木の根本に在る、赤い花の前に居た。私は、そっと掘り箱を取り出した。中には一通の手紙と、土で汚れた花があった。私は花に疑問を持ちつつも、手紙を読んだ。


二度読んだ。一度目は驚いてばかりだった。二度目は全てを理解し、読んだ。心の整理だ。

「嗚呼、分かったよ。我が友よ。君の心残りに会いに行こう」

私は掘った穴を元に戻し、村へと戻った。私はもう一度、村人に聞いた。村人は快く教えてくれた。


村から外れた一軒家。しかし、家の回りは手入れされ、道もある。私はその家の扉を叩いた。中から一人の少年が出てきた。年は八だ。

「あなたがロイロ様ですか?」

そうだよ、と優しく返すと彼は満面の笑みを浮かべ喜んだ。


私の友は一年前に死んでいた。一年前、一度だけ途絶えたあの日に。友は死んでいた。ならば、何故今まで手紙のやり取りは続いたのか。それは、彼だ。友の心残りである、彼が続けた。


「ロイロ様はあの人からどのような言葉を?」

「私は、君を見守ることだよ。君は?」

「私は、手紙を続けることです。だから、必死にあの人の話し方を真似したんですよ」

「ああ、よく似ていたよ」

私たちは今、汽車に乗車している。友の願いを叶えるために。我が友、フライデーよ。君の大切な人は今でも君を見ているよ。少なくとも恨んでなんかいない。一つ、言うことがあるとすれば、君は生前おしゃべりだったんだな。

歴史じゃないよね・・・まッいっか!

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