7、ルームメイト(中編)
話していくうちに分かったのだが、ミアは私より一つ上の14歳で、元々大のスリル好き。それもあってハンターにずっと憧れていたらしい。元の理由は違うけど、憧れていたのは私も同じだ。そして、彼女はかなりフレンドリーな性格だった。
「イレーネはどんな魔法が得意なの? オリジナルのとかある?」
「私が使うのは治癒魔法だよ」
「へぇ。サポート系か。他には?」
「他というか、それしか使えなくて」
「え? それしか使えないって、本当に?」
「うん。やっぱり珍しい? 私は詳しくないから、教えてほしいな」
この世界では、魔法というのは魔力を持つ人が自身のイメージを具現化することだ。そこまでは知っている。でも、私が読んだ本には、1種類しか使えない人がいるかいないかまでは書いていなかった。
「えっと、魔力量によって具現化するものに限界はあるけど、治癒以外の簡単な魔法なんていっぱいあるよね……他の技だけイメージできないことはないだろうし。うーん。ごめん、私じゃよく分かんない。先生に聞いてみたら?」
ミアも分からないか。色々詳しそうだったのに。やはり彼女の言う通り、先生に聞いてみよう。
「そうだね。せっかくだしそうしてみる。ありがとう」
「いえいえ。あ、私の魔法見る?」
「見たい!」
「よし、じゃあちょっと離れてね。今準備するから」
そういうと、彼女は杖を持ち出してきた。太めの木の枝に、自身の魔力を込めた石がついている。オーソドックスなタイプだが、それでも割と高価なものだ。
「それじゃ、いくよ!」
ミアが杖を握って構える。そして、呪文を唱えた。
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