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⑧ 一年後の結果





ーーーーあれから一年




クリスティン・アインホルン(13)


75kg→65kg


マイナス10kg減



トビアス・アインホルン(36)


120kg→95kg


マイナス25kg減



エラ・アインホルン(34)


98kg→80kg


マイナス18kg減



オスカー・アインホルン(12)


80kg→75kg


マイナス5kg減



この一年間、己を磨きながらも家族の染み付いた食生活を改善する為に全力を尽くした。


(学園に入るまであと三年、今なら間に合うわ!)


まずはアインホルン家の食べ物に囲まれた環境を変えていく。

アインホルン家専用に取り寄せていた特大ケーキや巨大な肉塊などを運んで来ないように片っ端から断りの手紙を送る。

そして余った輸入食材や鮮度が高くないと食べられない食品や、日持ちしない商品は自分達では食べずに、屋敷で働いている人達や孤児院に配る。


兎にも角にも、手元に食べ物がない状態を作り出す。


そしてシェフと共にダイエットメニューの開発に勤しんだ。

いきなり食事の量を減らすのは欲求不満に繋がってしまう。

満足感を得る為に暫く量はそのままで、ひたすら野菜などでのかさ増しや、低カロリーの食材への切り替えをしていく。


食事同様、突然甘いものを止めることは出来ないので、カロリーを下げたお菓子作り。

オスカー用に野菜入りのクッキーやパンの開発。

徐々に低糖質、高タンパク中心の食事に切り替えていく。


勿論、水分を大量に取ることも忘れない。


体に負担が掛からないように簡単なウォーキングから始めていく。

ぶるんぶるんと肉が揺れ動く様は圧巻だった。

一定の運動量でゲット出来る食後の甘いデザートのお陰で、運動も毎日続いている。


ご褒美デイとして、月に一度の爆食日を設けての食欲の発散。


「この日は、どんなものでも食べても良いですよ」と言ったクリスティンに、エラとトビアスは急いでシェフの元へと、今日の朝から晩までのメニューのリクエストリストを持って走って行った。


生まれ変わったクリスティンに抜かりはない。


それに何度寝て起きても元の世界には戻れない。

そして自分の容姿はクリスティンのまま変わらない。

いつまでも元の自分に戻りたいと嘆いていても仕方がない。

ならば『クリスティン・アインホルン』を以前の自分と同じクオリティまで磨き上げていくしかないと決意してから早一年。


こうなったら新しい自分であるクリスティンを、令息達が涎を垂らして鼻血が吹き出すような美しい令嬢に仕立て上げなければ気が済まない。


勿論、貴族としての知識やマナー、アインホルン家の仕事と国政などを頭に叩き込めるだけ叩き込んでいく。


(ーー誰だか分からないけれど、私をこの世界に送り込んだ事を後悔させてやる!!!そして空の上からこの国が根底から変わるところを見るが良いわッ!!)


そんな意味が分からない怒りは、脂肪燃焼へと繋がっていく。


やはり一番変化が大きかったのはトビアスだろう。

体重も体重だったので、減り幅は大きく効果も出やすかった。


予想に反してエラはドレスのサイズが変わってきた事が喜びだったらしく、自分から進んでダイエットに取り組み始めたのだ。

やはり目に見える変化はやる気に繋がるようだ。


オスカーは……殆どやる気が見られない。

しかし、そんな事で悩むクリスティンではない。


(次の手を考えましょう…!)


少しの運動と食事を変えただけで要らない脂肪や肉がゴッソリと削げ落ちた。

毎日自分を見ていると分かりにくいが、他人から見ればアインホルン家の変化は大きい事だろう。

両親は取引先の人達に驚かれるのだと、嬉しそうに言っていた。


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