表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ&電子書籍化決定】とある令嬢の逆転劇〜お覚悟はよろしくて?〜  作者: やきいもほくほく
とある乙女ゲームの主人公は様変わりしたキャラクター達に翻弄される〜私が登場する前に何があった!?〜
78/82

⑧ ついに正体が!?



「クリスティン様はジョエル様の婚約者ですわ」


「ジョエル様が王太子なんですよね?私はローレンス様が王太子だとずっと思っていたんですが……」



そう言うと、辺りが静まり返る。

隣にいる令嬢が詳しい事情を耳打ちして教えてくれた。


ローレンスは宰相で大罪人であるヨルダンに騙されて悪事に加担していたこと。

そしてエンジェルや国王に見放されてしまったこと。

実は王弟の子供だったジョエルが、ローレンスの代わりに王太子の座についたこと。



「へ、へぇ……そんな事が!」



ヒロインと共にヨルダンの悪事を暴いていくローレンスルートのフラグは完璧に折れているようだ。

きっとイワンの様子を見るに、イワンのハッピーエンドに続くフラグも、この学園に来る前に折れてしまっているのだろう。

今までの状況を見て悟っていた。


そして次の言葉に更に驚くこととなる。



「ジョエル殿下は幼馴染であるクリスティン様を落とす為に必死だったみたいよ?」


「ーーー幼馴染ッ!?」


「そ、そうよ?ジョエル様とクリスティン様ってずっと昔からの付き合いよ」


「ジョエル様がずっと片想いしていたんですって!素敵よねぇ」


「……………!!」



呆然とした表情に周囲は何事かと目を合わせている。


ジョエルの幼馴染といえば、人の良さそうな顔をしているデブ令嬢。

チュートリアルでコーリーに婚約破棄されるチュートリアル令嬢ではなかっただろうか???


(デブ令嬢=クリスティン)


やっと脳内で結びついたクリスティンの正体。


そんなクリスティンはいつの間にか王太子の婚約者にまで上り詰めているではないか。


ということは、そもそもコーリーと婚約自体していないのだろう。

仲が良い様子を見るにエンジェルにコーリーを奪われた訳でもない。



「ジョエル様以外は、ある時から見た目が一気に変わったわよね!コーリー様もエンジェル様も以前とは全然違うもの」


「特にクリスティン様は別人のようよ?わたくし、昔のクリスティン様と話したことがあるもの!」


「わたくしも!きっとジョエル様の為に変わったんじゃない?」


「舞踏会でアインホルン家が会場に現れた時、わたくし鳥肌が立ったわ!!」


「本当!凄かったわ……」


「いいわよねぇ……わたくしも変わりたいわ」


「それよりも"ブルーローズ"のドレスを着てみたいわ」


「わたくしはクリスティン様かオクターバ侯爵夫人に気に入られたらオーダー出来ると聞いた事があるわ」


「いくらお金を積んでも断られるんですって!」


「まぁ!」


「あのドレスを注文できるのは、選ばれた方々だけって噂よ?」


「はぁ………素敵過ぎてため息が出ちゃう。ブルーローズのドレスは令嬢達の憧れよ」



次々に変わる話題に頷く事も忘れてサンドイッチを持ったままボーっと考え込んでいた。



「オーロラ様、クリスティン様だけは敵に回さないほうがいいわよ?」


「……はひ!?」



突然声を掛けられて驚いて肩を揺らす。



「手を出したが最後……倍返しされるわよ?」


「え……」


「わたくしは海の藻屑にされると聞いたわ」


「!!」


「それにアインホルン家には化け猫がいて、クリスティン様に何かすると襲ってくるんですって!」



ゴクリと生唾を飲み込んだ。

なんて恐ろしいのだろう。


(クリスティンに関わるのはやめた方が良さそうね……潰されるんだわ)


火の無い所に煙は立たぬ。


特にクリスティンの婚約者であるジョエルには絶対に近づかない方がいいだろう。

乙女ゲームで攻略対象者を攻略するのも大事だが、まずは己の保身である。


早めに気付く事ができて良かったと、ホッと胸を撫で下ろした時だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ