表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ&電子書籍化決定】とある令嬢の逆転劇〜お覚悟はよろしくて?〜  作者: やきいもほくほく
とある乙女ゲームの主人公は様変わりしたキャラクター達に翻弄される〜私が登場する前に何があった!?〜
76/82

⑥ 思っていたのと違う



「是非わたくしの屋敷にもいらして!お母様がまたクリスティンとエラ様とお話しがしたいみたいなの」


「あら、近々伺うわ」


「僕の所でもいいよ!母上がとても喜ぶから」


「王都組は気楽でいいわね……でも馬車の中は案外居心地がいいの。色々と集中出来るもの」



令息達の視線は、楽しそうに会話するエンジェルとクリスティンに全て集まっている。


そして、その後にジョエルの氷のような冷ややかな視線とコーリーの笑顔でありながらも他を威圧するオーラが放たれるのであった。


四人が集まって話をしているのだが、煌めき感が半端ないのだ。


ヒロインのオーロラだって、容姿では負けてはいない筈なのに、内から滲み出る高貴なオーラには敵うはずもなく…。


(何なのよ……!一体、私がくる前に何があったか誰か細かく説明して!!)


クリスティン達の会話に耳を澄ます。



「はぁ……まさかわたくしが学園に通う事になるなんて」


「当たり前の話だろう?」


「でもやっぱり若さって素晴らしいわね…遅くまで起きてても浮腫まないもの」


「クリスティンは、たまにおかしな事を言うわよね」


「はは、確かにね!達観しているというか」


「そうかしら?」


「ああ……今日のクリスティンも本当に美しいね。同じクラスになれて本当に良かった」


「ジョエル、仕組んだの?」


「何のこと?」


「………」


「毎日君に会う為に学園はあるんでしょう?」


「違うわ」



どうやらこれだけ主要人物が集まったクラスが出来上がったのはジョエルが原因のようだ。

それにオーロラには、クリスティンの言葉の意味がよく理解する事が出来た。


(やっぱり転生者でビンゴじゃない!!)


若さが素晴らしいと言っているということは、転生する前は年を重ねていたということだ。

そう思うと、クリスティンの大人びた雰囲気の説明がつく。


クリスティンが席に着くと、隣に座る令息が顔を赤く染めて足をモジモジとさせている。

そんな様子を見て、クリスティンは「宜しくお願い致しますわ」と優しく微笑みかける。


それだけで、もうノックアウトである。


(あの滲み出る色気は何なの!?)


クリスティンの麗しさにオーロラは唇を噛み締めた。

艶々の髪と肌……少女の可憐さを残しながらも周囲を圧倒してしまうような王者の風格。

一つ一つの所作が美しく不思議と目を惹きつけられてしまう。


(あの仕草と余裕……きっと歴戦の猛者よッ!!)


未だに誰かも分からない謎の令嬢。


攻略対象者の事も忘れて、クリスティンの正体が気になって仕方がなかった。

そして、どうやってクリスティンから話を聞き出そうかと考えていた。







クリスティンに声を掛ける事も出来ずに、あっという間に時が過ぎていく。


オーロラになってから、令嬢の友達は沢山出来た。

それに貴族としてのマナーも少しずつ学んでいき、順調な学園生活をエンジョイしていたのだが…。


(思っていた展開と違ーーーう)


やはり乙女ゲームと違ってガチャガチャでアイテムが出てくる事もなく、好感度も目に見えるようなものはない。


せめて特殊な力があればいいのにと思わずにはいられなかった。


たまにスライドラ子爵からドレスやネックレスがプレゼントされるのだが、何をプレゼントされるのか分からない為、ガチャ要素に近いなぁ…と思いつつ平和な学園生活を過ごしていた。


しかし待てど暮らせど攻略対象者は此方に話しかけてくるどころか近付いても来ない。


折角、俺様イワンと我儘王子のローレンスのガンガン攻めてくる二人を選んだのに、此方には興味がないのかスルーである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ