表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ&電子書籍化決定】とある令嬢の逆転劇〜お覚悟はよろしくて?〜  作者: やきいもほくほく
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/82

②③ 昔の王子様



記憶によれば、もうそろそろ出会える筈なのだ。

以前のクリスティンの王子様に…。



「あっ……あの、少しお時間よろしいでしょうか…?」


「……はい?」



(来た、来たわ…!)


振り向くと、そこには…。



「はじめまして……コーリー・オクターバと、申します」



以前のクリスティンの婚約者であるコーリーとの出会いは、この舞踏会だったのだ。


運命的な出会いを妄想していたクリスティンが城の料理をパクパクと食べていた時に、タイミングよく声を掛けてきたのがコーリーだった。


(うっわぁ……垢抜けない令息ね)


もさもさのダークブラウンの髪は天然パーマがかかっているのか、毛先があっちこっちに冒険している。

涼やかな目元は、今は完全に前髪に隠れて見えない。

マッチ棒のようにヒョロヒョロとした不健康そうな体。

ふくよかなクリスティンの横に並ぶと、これまた細さが際立つ。


美しすぎるジョエルを見慣れているせいで、目が勝手に肥えているようだ。

やはりジョエルは色んな意味で別格である。


しかし以前のクリスティンにとって、コーリーは紛れもなく世界で一番かっこいい王子様だったのだ。


(恋って不思議だわ…)


この出会いをキッカケにクリスティンとコーリーの距離が縮まっていくのだが、今はコーリーと恋愛するつもりも、婚約者になるつもりもない。


確かに王子様を求めていたクリスティンにとっては、優しく声を掛けてくれたコーリーは救世主のように見えた事だろう。


それに学園に入る前までは、なかなか良い関係を築けていた。

クリスティンがお菓子を作ったり、オクターバ商会にオーダードレスを作りに行ったりと、概ね順調であった。


思い出してみると温かな雰囲気を持つ、お似合いの二人だったのかもしれない。


しかし、学園デビューしたコーリーは見目が変わった途端、クリスティンと過ごした時間も、築き上げてきた関係もあっさりと捨てて、オーロンナだかオーララとかいう女を選んだのだ。


(まぁ、思春期なんてそんなもんよね…)


過ちを繰り返して成長していく思春期の男女関係。

けれど見た目を理由に振られたクリスティンは心に深く傷が残った。

今のコーリーには関係ない話ではあるが、やはりコーリーはコーリーなので、イメチェンした際のスカした顔を思い出すと腹立たしい。



「チッ…」


「え…?」


「オホホ…なんでもありませんわ!クリスティン・アインホルンと申します」


「クリスティン様、よかったら…お話しませんか?」


「……」



困ったようにヘラリと笑ったコーリーをじっとりと上から下まで値踏みするように眺めていた。


(素材は悪くないのに、勿体無いわね…)


学園デビューした時の顔を見て思っていたのだが、コーリーの見た目は別に悪くはない。

端正な顔立ちをしているのに、野暮ったい見た目のせいでくすんで見えてしまう。


キラキラに輝いているわけではないが、素材が良いので綺麗に整えればなかなか良い線までいく気がするのだ。

どうせならば、あの泥棒猫が変えたコーリーを越えなければ気が済まない。


(絶対に負けたくないわ…)


それに学園に行ってイワン達と連む前に、人の良すぎる性格を矯正して、多少の毒にも負けないように耐性をつけなければ。

未来を憂いて怯えるよりも、敵になる事だけはないように躾ければいいのだ。


(要は、あの女に出会う前に早めに自分に自信がついたら良いのよ!良い男になるように頑張るしかないわね……久しぶりに腕が鳴るわ!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ