マイクロエッグ社
チョコエッグのオマケは、卵型のチョコレートの中に入っている。
オマケが楽しみで毎回買ってた。
チョコエッグは子どものときに流行ったんだけど、僕が大人になったときに、国の直営の研究所で手のひらサイズの恐竜が生まれた。ちょうどチョコエッグと同じ大きさの卵の殻を破って、ちっちゃな恐竜がカオーって生まれてくるんだ。
僕は水槽を用意して、ちっちゃな密林の中にその恐竜を飼うことにした。
恐竜以外にもいろんな生物のマイクロ化が進み、水槽の中に恐竜の餌としてぽいぽい放り込む。
カオー!!!
今日も元気そうだ。かわいい。
ある日、恐竜がもっと小さい生き物から襲われているのを目撃した。
こんにゃろ!僕の恐竜に何するんだよ!
捕まえた一匹を虫眼鏡で見て、僕は愕然とした。
それはちっちゃな人間だった。
水槽の中に原始時代がコンパクトに収まっていた。僕なんかがこの世界を持ってていいはずがない。僕は、マイクロエッグ社という研究所の直轄の店舗に出向いた。水槽を後生大事に抱えて進むと、店員に相談した。
「よくあることなんですよ。でもあなたみたいに大事に管理されているのであれば、所持していていいと思います。どうかお持ち帰りください」
僕は説得されて、水槽を持ち帰った。
カオー!
ちっちゃな恐竜だけで良かったんだけどなぁ。でもちっちゃな人間捨てるわけにいかないもんなぁ?
僕は毎日、飽きずに水槽を覗き込んでいる。