記憶の操作
タタンが無くなって半年が経ち、メケスが20歳になりナケスは10歳となった。
旅に出る準備が整ったので、町民にはナケスが重度の病を患い、薬を探す旅に出ると伝え、町を離れたのであった。
「行先は光国!」
あれから20年、とうとうこの日がやって来た。
タタンが他界したので、今後どのようにモケス(モイナ)が成長していくのか不安だったが、一緒に住ごす事の喜びの方が勝っていて、早く会いたい気持ちを抑えるのがやっとであった。
マワ家の旅行はカミン通りで光国の領地まで行き、光城がある北では無くて、森で住んでいるアイナとカイナの元へと進む。
以前、人の姿で子供を引き渡した大きな草原に辿り着いた。
「ここで、娘をイトナ様に引き渡したんだよ」
「でも、どこにも人が住んでいる様な気配が無いわね」
息子のメケスが煙を発見する
「あっあそこに煙が!」
デケスとフケスも煙に気付き、
「あっ!本当だ。よく分かったな」
永遠と広がる草原の先に、一瞬雲と見間違えてしまうかの様な煙が見えた。
「どこ?」
10歳のナケスには見えない様だ。
能力の有無は、体の機能も違うのだと感じる。
道路も無いので、腰ぐらいに延びた草を掻き分けて煙が立ち昇っている場所に移動した。
草原は崖で終わっていて、崖の真下から煙が立ち昇っている。
恐る恐るデケスが崖の先端に足を踏み出し、下を覗いた。
なんと下には、大きな恐竜が2体と娘のモケスの姿が目に入った。
イトナは人前では人間の姿でしか表舞台に現れないので、あの恐竜がイトナだとデケスは知らなかった。更に、恐竜の存在すら初めて目にしたのだ。
「なんだ、あの動物は?普通の動物では無い!モケスが危ない」
デケスは助けに行こうと思った瞬間、下にいる大きな方の恐竜が上を見上げる。
デケスと目が合った瞬間、崖の上のフケス、メケス、ナケスの所に移動していた。
フケスの悲鳴が聞こえると、デケスは振り返り恐竜に向かって走っていく。
「そこから離れろ!」
すると恐竜が何かを唱える。
「〇#&!△×#$・・・」
するとナケス以外、眠ってしまった。
翌日
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん!」
モケスが3人の体を揺すりながら声を掛け続けていた。
デケスが目を覚ます。
「おっ!ナケスか?どうやらお父さん寝ちゃったみたいだ。」
デケスがフケスとメケスを起こした。
「ところで、ナケスは何処に行きたい?」
ナケスは素直に
「海!」
メケスもナケスの言葉に
「そうだね。お兄ちゃんも海に行ってみたかったんだ」
「それにしても何で私達は、こんな所で寝てしまったのだろう?」
カミン通りの光国領地に入った場所で寝ていた事を不思議がった。
デケスがナケスに注意する。
「でもナケスは、海には入れないよ。まだ具合が良く無いんだからね。」
マワ家一同は、サワ・カロ国に戻り、海があるスワ国を目指す事にした。
デケス、フケス、メケスは、長女に対する記憶は、アイナの手によって消去されたようだった。
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(次回は第22章となります。
マコト達がスワ国に到着して、一夜を過ごした翌日の朝から始まります。




