双子の誕生
早朝4時
フケスが破水する。
お腹の羊水が体外に出て来てしまった。
赤ちゃんが窒息しない様に、早目に分娩をするため屋敷は騒然としながら分娩に備えた。
個室で陣痛に苦しむフケスの横にデケスが見守る様に立っている。
「私が付きますので、中には誰も入れないで下さい。」
タタンは家のメイドに指示をする。
「では赤ちゃんを出しますね」
「赤ちゃんを出す?」
タタンがお腹を触ると、赤ちゃんが臍帯を付けたまま、タタンの腕に出てきた。
臍帯を触れると切り離され、鼻や口を触ると羊水が体外に出てきた。
「おぎゃー」
赤ちゃんの第一声にデケスもフケスも安堵の表情を浮かべる。
一人目は男の子
「もう一人・・・」
タタンは同じ様にフケスのお腹に触れ、赤ちゃんを取り出した。
二人目はタタンが言っていた通り、女の子が生まれた。
タタンは、男の子を軽く触れる。
「この子は能力を引き継いでいる子よ。」
タタンはもう一人の女の子を抱きながら、
「この子をイトナ様の所に連れて行くわよ。この子の名前は?」
デケスが答える
「実は一人しか考えていませんでしたが、モケスと名付けようとしていたので、この子をモケスと名付けます。」
「では、モケスと一緒にデケスも私と一緒に来てくれますか?」
隠し扉から、タタンとデケスとモケスが部屋を出た。
「取り敢えず待ち合わせしている森に行くわよ」
少し強張った表情でデケスが答える。
「はい、お願いします。」
デケスが泣き叫ぶモケスを抱いたまま、タタンに触れると同時に広い広い草原にテレポートした。
そこには人間の姿に扮した「アロ・イトナ」の姿があった。
タタンが「イトナ様、この子をお願いします。」
「大丈夫だ。任して下さい。それと先日の夜にタタン様から言われた通り、この子が歩ける様になったら、1ヶ月に1回は町を訪問する様にするので、もし会いたかったらいつでも会える様にしておきますよ。
ところで名は?」
「私とフケスで考えた名はモケスです。」
イトナは考え込む
「それでは、この子の名前は「モイナ」でいいか?」
「モイナ?モトナでは無いのですか?」
「私の妻のカイナと過ごす時は、私はアイナと名乗っている。」
イトナに妻が要る事も、偽名で結婚している事も、さすがのタタンも知らなかった。
イトナが提案した名前にデケスも頷いた。
「分かりました。モイナをよろしくお願いします。20年後、必ず迎えに来ますので、どうかよろしくお願いします。」
デケスの目から涙が零れ落ちた。
タタンがデケスの肩を掴み
「では行きましょう」
「はい」
と答えると、フケスのいる部屋にテレポートした。
デケスはフケスに涙を零しながらフケスの手を握る
「きっと3人の子供と暮らせる様に、僕達も頑張ろう」
赤ちゃんを抱きながら
「そうね。頑張りましょう」
と答えた。
ドアを叩く音がする。
ドンドン!
「入ってもよろしいですか?医師のジャニンです」
医師のジャニンが部屋に入ってきて、急遽名付けた「メケス」の体調を確認したのであった。




