マワ家の秘密
フケスが頭を捻り
「どういう事ですか?」
タタンは微笑み
「私にいい考えがあるわ」
続けて話し続ける
「まず双子が生まれたら、一人を光国のイトナ様に預かってもらうのよ」
「イトナ様って光国国王のアロ・イトナ様ですか?」
「そうよ、あの方は人間びいきだから、交渉すればきっと話を聞いてくれるわ。それに光国城は殆んど人が入らないから外部に漏れる事は無いわ。
そして10歳になった時に、私が体の成長を止めるわ」
「体の成長を止めれるのですか?」
「トワ・タン国の時の魔法は、脳をコントロールする魔法だと思われているけど、私には本当に時を止める事が出来るのよ。だから戦争の時も私には誰も敵わなかったでしょ。それは時を操れたからなのよ。」
「そんな大事な事を僕達に教えていいのですか?それを教えたらまずい人もいるのでは?」
「私もあなた達の秘密を知るのよ。これでお互い様ね。」
とタタンは微笑む。
「私の能力なら体の成長を止める事が出来ると思うわ。ただ、やった事は無いので100%の自信は無いけど、多分大丈夫よ。そして10年後に生まれた子が10歳になった時に、この子に掛けた魔法を解除するわ。」
「魔法を解除すると、そこから身長も伸びて行くのですか?」
「そうよ。そこから成長が始まるわ。多分だけど」
「しかし、本当に大丈夫でしょうか?イトナ様にはどれくらいの期間を預かってもらうのですか?」
「10年後に生まれる子供が10歳になった時かしら?」
デケスが指で数え始める
「え~と、次の子供が10年後。そしてその子が10歳って事は20年ですか?」
「そうね。確かに長いわね。」
「それに20年も離れて、10年後に生まれる子と上手くやっていけるのでしょうか?それにイトナ様だって20年も一緒に住んだ子と離れ離れになるのは苦しむのでは?」
「イトナ様は記憶を操作出来るので、子供達の記憶を10年後に双子が生まれた記憶に書き換えれば問題は無いと思うわよ。ただ、いつしか本当の事を伝えて心から祝福する日が来るといいわね」
「それならば、10年後に新たな子供が生まれた時に、この子を引き取ればイトナ様にも多少迷惑が軽減するかもしれません」
「マワ家としてはいいのだけれど、町民にも知られてしまう。そうなれば今回の事は意味が無い行動になってしまうわ。それに町民の理解を得るためには、この10年で二人目を産みたい事を発信していく必要があるわ」
デケスが考え込む
「確かにそうですね。10年後のマワ・ケス町の町民達が、二人目の子供の誕生を受け入れてくれないと、私達がこの世から居なくなった時に、二人目の子供が生活する事が難しくなるかも知れない。」
「でも、どうしたら町民に知られず、3人の子供を認知させるのでしょうか?」
「10年後に生まれる子が10歳になる前に旅をして、この子を養子にするのはどうかしら?」
明日産まれる子供の事なので、じっくりと計画を考える事は難しい。
ただ、血族は二人目の子供を産まない事で知れ渡っており、何故二人目を産まないのか町民は詳しく知らないのである。血族が二人目の子供を産むと、不幸をもたらすとの誤った認識をする町民もいるらしく、町を混乱させない様にするには1日では対策もたてられない。
もう少し早く分かっていれば・・・
明日までに町民に理解を求めるのは難しい。取り敢えずタタンの計画に賛同する事にするしか選択肢は無かった。
そのままタタンはマワ・ケス家に泊まり、明日の準備をするため、テレポートで光国に何度か移動していた。
そして運命の日が訪れた。




