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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第21.5章 マワ・ケス家の真実(20年前の真実)
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双子


(第21.5章の登場人物とあらすじ)


この21.5章は、マワ家の物語なので、21.5章だけの物語となっています。

(この小説の最初にしようか迷っていた部分を改良しました)


20年前、デケス、フケス夫妻に待望の赤ちゃんがフケスのお腹に宿る。しかし出産直前に双子が判明、


血族の二人目は、特有の能力が無い事から、兄弟間の争い事を避けるため、古来より能力が無い子供を殺さなければならない風習がカミンでは根付いていた。


デケスとフケスは、その子を殺さない方法を異世界人であるタタンより助言される。


そして、タタンの助言を受け、殺さずに済む方法を実行する事になった。


双子の誕生時(20年前)の状況、そして現在に至るマワ家の謎が明かされる。


マワ家の真実


「トワ・タン国」(時)20年前

 

タタン(王女)

長男 ガタン 


「マワ・ケス家」(知恵)

デケス(領主) フケス(妻) 


メケス(娘)20歳

三女 ナケス


モイナ 



光国(アロ・イトナ国王)

アイナ(アロ・イトナ) モイナの父(森の守護者)

カイナ モイナの母



マワ・ケス家の真実が始まります。本編へどうぞ!

*********


20年前、サワ・カロ国マワ・ケス町


マワ・ケス町はサワ・カロ国内では有数の商人が集う街で知られていた。

その町の町長は血族であるマワ・デケスであり、妻のフケスと町を守り、町民と力を合わせて町を繁栄させていた。

デケスとフケスは物静かな夫婦であり、一番に町民を大事にしていたので、町民もデケスとフケスには敬意を表しており、誰もが二人を親しみ尊敬していた。


そしてフケスに子供がお腹の中に宿ると、町では二人を祝福するために、お祭りを行い、共に新たな命が宿った事を喜んだ。


月日は流れ、出産予定日の一週間前の出来事である。


この日はトワ・タン国の王女であるタタンがマワ・ケス家に訪れていた。


リビングでデケス、フケス、タタンでお茶を飲みながら会話を交わしている。


デケス「タタン様は透視能力があると伺っておりますが、お腹の子供が男の子か女の子か、教えて下さいませんでしょうか?」

タタン「それはいいですけど、楽しみが半減してしまいますよ。」

フケス「そうよアナタ、私は聞きたくありませんわ」

デケス「では、フケスには内緒で教えてくれませんか?」


フケスはあきれ顔で、自分のお腹の赤ちゃんに話し掛ける。

「もう本当にしょうがないパパですね。」

パパと言う響きが相当嬉しかったのか、デケスはフケスに笑顔で

「分かったよ、ママ」と答える。

するとフケスは頬を膨らませ

「私はこの子のママだけど、アナタからは今までと同じ呼名で呼んで欲しいわ。いつまで経っても恋人でいたいもの」


そんなのろ気話が続く。さすがにタタンが会話に割って入った。

「それで、どうしますか?透視で見た方がいいですか?」


デケス「お願いします。」


タタンが目を瞑り、フケスのお腹に手を当てて神経を集中すると、タタンの手が光輝いた。


「えっ?」

タタンが驚いて声を出した。


「どうしたのですか?赤ちゃんに何かありましたか?」


タタンは戸惑いながら

「赤ちゃんは元気ですよ。・・・二人共」


「二人?」

デケスとフケスが顔を見合わせた。


「そんな筈は無いですよ。昨日も医師が診察してくれたばかりですから」


「でも本当に二人子供がいるわよ。男の子と女の子よ。それに明日産まれるわ」


デケスもフケスもキツネに騙されたかのように言葉を失った。

何もかも違う状況に頭の整理が効かないようだ。


タタンも何を言ったらいいのか分からず、この場に静寂な空気が流れた。


デケスが血族の掟を思い出す

「双子と言う事は一人・・・」

デケスが呟いた。


「嫌よ、二人共、私達で育てましょう」


「そうだな、僕達の子供だから、能力の有無で差別したり、憎しみ合う事なんか無いよ。二人共、育てよう」


タタンが二人に助言する。

「二人が同じ様に育てようとしても、町民達は能力のある子の方を特別視する筈よ。その時に悲しむのは能力が無い子よ。その子は一生苦しむ人生になってしまうわ。親が生きている時はいいけど、死んでしまったら能力が無い子はどのように生きて行くの?それでもいいの?」


「それは・・・」


タタンは何かを思いついたように呟いた。

「あっ!でも・・・」

言葉が続かない。


フケスがタタンの言葉に反応して問い掛ける

「何かいい考えがあるのですか?何でもいいです。この子が二人共、生きていく方法があるのなら教えて下さい。」


「今のしきたりでは、血族で2人目の子供は安楽死させる事になっているわ。それは子供が二人だから、能力がある子と能力が無い子に分かれてしまう。では3人だったらどうなるのかしら?」


「3人?」


「他の2人には財を与えて、その財を元に力を合わせて生きていけないかしら。もしかしたらデケスの商人としての能力が引き継がれていれば、能力が無くても同等に生きていけるのではないかしら?」


デケスは考え込む

「でも、3人目となると、歳が問題にならないだろうか?一般人でも長男と次男では家督を継ぐ時に争いが起こる事があると聞いたことがあるが。それに僕達血族は次の子を産むのに10年必要となる」


タタンは異世界人なので、血族の体については詳しくない

「どういう事?」


するとデケスが血族の言い伝えを話し始めた。

「血族の女性は、一度子供を産むと10年の歳月が経たないと正常な子供が生まれないのです。その前に子供を作る事は出来るそうなのですが、障害を持った子供が生まれると言い伝えられています。能力の有無もそうですが、長く生きていけない子供が生まれてしまって、あえなく安楽死にした事もあると聞いています。ただ、私達は二人目を産んだ人を知りませんけど・・・」


「では、10年後に3人目の子供を作ればいいのでは無いでしょうか?」


「それでは、年齢が違い過ぎます。」


タタンはフケスのお腹を摩りながら

「この子と10年後に生まれる子が同じ歳になればいいのよ」

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