マワ家の娘
しばらくすると、メイドが僕達を食堂に案内しにやってきたので、僕達はメイドの後について行き食堂に到着した。既に女性達も勢揃いしていたので、席に着くなり皆で食べ始めた。
クリカがこの旅の目的であるマワ家の事について質問する。
「おじい様、おばあ様、マワ家の人を見掛けませんでしたか?」
「マワ家かい?」
「そういえばアナタ、確かマワ家の当主のデケスさんが、海で釣りをしていると屋敷の子が言ってたような・・・」
コタリも一緒に考え始める。
「そういえば誰かが言っていたような・・・」
すると僕達を案内してくれたメイドが
「領主様、私が海で見掛けました。」
「お~そうじゃった。え~と・・・」
どうやら名前を思い出せないらしい。
「サリアでございます。」
「お~そうじゃ。サイアだ。」
サリアをサイアと聞こえたらしい。
それでも慣れている様子で
「そうでございます。サリアです。」
「ところで、その様子を孫に教えてやってはくれんか?」
「はい。領主のデケス様は一人で釣りをしていました。そして奥様のフケス様、娘のメケス様と、もう一人女の子と一緒に楽しそうに海岸で遊んでおりました。」
もう一人?
もしかして、殺したとされている双子の能力を引き継がなかった女の子?
その子がモイナだと思っていたが・・・
「そのもう一人の女の子って、その娘さんと似ていましたか?」
サリアさんは、その時の事を必死に思い出そうとするが
「すいません。もう一人の子は小さい子でマスクをしていたので、素顔は良く分かりませんでした。」
「マスクって?」
「はい、遠くて良く見えなかったのですが、真っ白なマスクでした。」
「マスクをして海に?」
「いえ、その子は浜辺に座っていました。でもフケス様とメケス様が陸にあがると、親しげに会話をされていました。」
祖父のコタリは昔を懐かしみながら語り始める。
「デケスもフケスも大人しくて優しい子だった。虫も殺せぬとは正にこの二人にピッタリの言葉だった。
後から聞いたのだが、双子が生まれてしまった事により能力が無い子を森で殺したと聞いた。
その報いからか、また子作りをして、今度は殺さずに一緒に住むと、町で断言していたらしい。
そして10年後、本当に子供を産んだと聞いていたが、その子が病気を患い、1年程前に治療の旅に出たと聞いていたが・・・」
「ではマスクの子が双子の妹?」」
「それではモイナが、殺されだとされている子なのか?・・」
みんなも僕と同じ事を考えたのだろう。
モイナの親がデケスとフケスである可能性が出て来た事に期待を膨らませた。
サリアが
「双子では無いと思います。あまりにも年齢も容姿も違いすぎます。メケス様は大人の男性でしたが、マスクをした女の子は小さい女子でした。」
やはり露店で会った女の子が、一緒に居た女の子だったのか?
「話しているところ申し訳ないが、あの子には能力を感じなかったぞ。しかし不思議な感じをしておったのじゃ」
そういえばさっきも同じ事を言っていた。
「その不思議な感じとは、どんな感じなのでしょうか?」
「う~ん。分からん。とにかく明日、会いに行くのじゃ」
確かにそれが一番早い解決策だろう。
食事が終わり、それぞれが部屋のお風呂を浴びてから、僕達の部屋に集まった。
そこで話し合いが行われる。
クリカ「どうするのよ!」
入ってくるなり、怒り始める。
「どうするって言われても・・・」
返す言葉が無い
コサイ「モイナちゃんも10歳ぐらいの体型で20歳なんでしょ?もしかしたらその子も10歳ぐらいの体型でも20歳って事はないかしら?」
一瞬不安が過ぎる。
「あのモイナって子も20歳なのか?そういえばあの子も不思議な力を持っていたな」
アミンが話に加わる。
「とにかく会って聞かないと分からない」
とリオキが呟く。
「そうね、ここで考えても答えは出ないですね。それよりルタン様はどうしたのかしら?」
すっかり忘れていた。
「ルタンってサワ・タン国の赤髪の女の子か?ワシの好みじゃ」
いくら昔の記憶が残っているからと言って、赤ちゃん体型の者が言う言葉では無い。
「アミンはルタンと会った事があるのですか?」
「勿論じゃ。ワシはカミン通りの警備をしていたのじゃ、あの子も半年程、警備を手伝っておったのじゃ」
「ルタンが?」
「国を治める、闇国、光国、人国(サワ・タン国、サワ・カロ国)のそれぞれの人間が警備の仕事を交代で行っているのじゃ。それでカミン通りの治安が守られているのじゃ」
だからカミン通りのファミレスのメニューにアミンが携わっているのか
「ルタンはワシの婚約者なのじゃ」
「え~!」
皆が一斉に驚く。
部屋のドアが開き
「アミン様!」
そこには、ちょっとむくれた表情をしてルタンが立っていた。
「そんなウソを言いふらしていると、私でも怒りますよ。」
その後もルタンと旅で起こった事などを話し、明日のマワ家の探索に備えて、早めにベッドに入った。




