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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第21章 マワ家の娘
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妙子の顔が・・

スワ町の入口に着くと、真っ先にアミンが僕達を誘導する。


「ここには美味しい魚が売っているのじゃ。ついて来るのじゃ!」


フワフワと僕達を海辺の方に誘導する。


しばらく歩くと、潮の香りが漂い、一面に海が広がる。


まさしく地球と同じ海の光景だ。


陽が落ち始めているせいか、人はまばらだが、楽しそうに浜辺で遊ぶ家族の姿も見えた。


あれ、この匂いは?


醤油の匂いが鼻を刺激する。


この世界にも醤油があるんだ。


露店で売られていた物は、イカの姿焼きが売っている。


「お~懐かしい」

つい言葉を発した。


「お前はこれを知っているのか?」


「はい、以前に食べた事があるんです。」


「これが、わしが皆に食べさせたい物なのじゃ」


アミンが露店の店主に

「人数分くれ!」



注文しているが、お金を出さない。


アミンは僕を見ながら

「お金は出しておけ、これでさっきのはチャラじゃ」


まあ、呪いを解いてくれた謝礼がイカ焼きなら安いもんだ。


「わかりました」


僕は店主にお金を出した

「あれ?一つ分足りないですよ」



「あの子の分も払ってくれるのだろ?」

と店主が海岸の方を指差す。


すると、10歳ぐらいの女の子が白い布地で青の水玉模様の水着を着て、片手にイカ焼きを持って、海岸に走り去っていく後ろ姿があった。


あんな小さい子だから、まあいいか


「分かりました。」

僕はその女の子の分のイカ焼きの代金も支払った。


僕達は露店の前に置いてあったテーブルに座り、潮の匂いに包まれながらイカ焼きを頬張った。


「さっきの女の子は不思議な感じがしたのじゃ」

イカ焼きを食べ終えたアミンが僕に話し掛ける。


「どんな感じですか?」


「いや、何となくじゃ。変なマスクを付けていたぞ」


「変なマスク?」


後ろ姿しか見ていないので、マスクも顔も僕達は確認していない。


他のみんなも女の子の顔は誰も見ておらず、分からなかった。


誰も見ていなかったのか?


まあいいか


僕はイカ焼きを食べ終えて、みんなが食べ終わるまで海を眺める。


地球で妙子と夕方の浜辺で、初めて口づけをしたシーンを思い出す。


「海って綺麗ね。いつまでも観てられるわ」

僕の腕に寄りかかり、頭も僕の腕に傾けた。


ドキドキ!


胸の鼓動が早まっていく。


手が震える。


僕は震える手で妙子の両肩を掴み、お互い見つめ合う。


あれ?


妙子の顔が黒くなっている。


昨日まではタタンの顔が妙子の顔だったのに、今日は妙子の顔が黒く霞んでいる。


とうとう妻の顔までも思い出せなくなったのか!


「マコト、何やってるのよ!みんな食べ終えたわよ」


イカ焼きを食べ終えた僕達を今度はクリカが祖母の所に誘導する。


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