アミンの魔法
僕はアミンに質問する。
「さっき呪いって言ってたけど、何のことですか?」
「何だ、お前は呪いを掛けられていた事も知らなかったのか?」
「僕が?」
「そうだ、背中に紋章が書かれていたぞ、あれは光国王の呪文じゃ。前から気になっておったのじゃ」
「えっ?」
「だから儂はお前が好きになれなかったのじゃ!」
確かにファミレスで食事をした時も、最初から僕の事を敵対視していたのは、そういう事だったのかと納得した。しかし、アイナがなんで?
「アイナが何でコサイを殺させようとしたのだろう?」
「それは、これだけ血族の人間がおるのじゃ、当たり前じゃろ。ここにいる皆を殺そうとしていたのだろう。」
「何でアイナがみんなを・・・」
「そんなのカミンを牛耳りたいからに決まっておるじゃろ。わしの父もアロ・イトナに殺された。何とか儂の蘇生魔法で生き延びたが、父は魔法を使えなくなってしまった。」
「どういう事?」
「一度死んだ人間を蘇生しても、命は助かるが能力は無くなるのじゃ。」
アミンはコサイを指差して
「だから、そいつも能力は無くなっているぞ」
えっ?コサイは死んでいたのか?
その言葉を聞いて、治まったクリカの涙が、また流れ始めた。
「そんな~」
クリカは泣きながらコサイに謝罪する。
「コサイ、私のせいで能力を無くしてしまってごめんね。」
と抱きつきながら、また泣き始める。
「いいよ、クリカが生きていてくれれば、私はそれだけで充分よ」
クリカとコサイを取り囲む様に、僕とカシム、リオキが声を掛ける事も出来ず、ただただ二人を見守っていた。
そんな沈黙が続いている所でアミンが話始める。
「儂もお前達の旅に同行するぞ」
「えっ?」
「何を不思議そうな顔をしておるのじゃ、光国の野望を止めるのは、ここに集まっている者が協力しないと止められないじゃろ」
「いやいや、僕達はモイナの両親を探す旅をしているだけで、そんな戦争を止める事なんて出来ませんよ。」
「お前はそうかも知れんが、仲間はどう思っているかな?」
僕は皆を見渡すと、真剣な表情をして僕を見つめている。
そして、クリカが立ち上がり
「マコト、戦争を止めるわよ、それにモイナを助けるのよ!」
クリカが激しい口調で僕に言い寄ってきた。
モイナ・・・
「モイナも紋章をつけていた。もしかしてモイナも身体を奪われているのですか?」
「そういう事だ。あの子はお前より深い術が掛かっている。お前より長い間、術を受けているのじゃろ」
紋章を受けてから時間が経つ程に、術が深まっていくらしい。僕は紋章を受けてから日が浅いが、モイナは赤ちゃんの時からずーっと一緒に暮らしているので、術が深いだのだろうと推測される。
それにしても僕の知っているアイナが本当にそんな事をするのだろうか?
納得は出来ないが、実際、僕もアイナの力でコサイを殺そうとした。
「何で・・何でアイナが?争いが嫌いな筈なのに・・」
アミンがフワフワと失神しているベアコンの所に飛んで行く。
ベアコンの上に浮いたまま、手をベアコンに翳して神経を集中させると、コサイの時と同様にアミンの手が輝き始める。そして、手から光の球が飛び出してベアコンの頭に当たると、光の球が頭の中に入り身体が白く輝き始める。
一瞬ベアコンの表情が歪み、また意識を失った。
「ヨシ」
僕達は不思議そうな顔をして、アミンを見つめる。
「今の魔法が不思議なのか?こいつが人を襲えない様にしたのじゃ。これで人を殺す事は出来なくなったのじゃ」
そんな事出来るのか?
「こんな事って出来るんですか?」
「これは闇族の王の血縁が使える魔法じゃ、闇族が人を襲えなくなったのも、同じ魔法を使ったからじゃ。もっともワシらは攻撃する魔法だけでは無いので、問題は無いが、こいつ等は魔法が使えなくなるじゃろ」
そういえば昔の闇族の話で、そんな事を言っていた事を思い出す。
「とにかく、スワ町に行くのじゃ。儂に捕まれ!」
アミンが言う通り、僕達はアミンの体に触れると、スワ町にテレポートした。




