モイナ失踪
・・・・・陽が目に飛び込んで来た。
「あっ!」
そこで、いつの間にか寝てしまった事に気付いた。
「コサイは?」
周りを見ると横のベッドでコサイの寝顔が目に入った。
「良かった。無事だったんだ。」
でも昨日は何だったのだろう?
どこかで聞いたことがある声だったような?
まあ、特に被害があった訳では無いので、あの声は気のせいだったのかも知れない。僕は自分にそう言い聞かせた。
窓から差し込む光に誘われる様に、僕はベッドから降りて町が見渡せる窓に歩いた。
見慣れた朝の光景。もうこの世界が僕の世界なのだ。
どこか心の底で、この世界は夢であって目を覚ましたら地球に戻っているのではないかと思った時期もあったが、もうそんな事を思う事は無くなっている。もうこの世界こそが僕の世界なのだと自然と思えるようになっていた。
そしてもう少ししたら、部屋のドアを叩いて、思いっ切りドアを開けて僕に飛び込んでくるだろうモイナの姿も行動も、僕の世界の一つなのだ。
この様に考えられたのも、この世界で初めて知り合ったモイナのおかげだと、つくづくそう思う。
モイナの為にも親を探してあげたい。
親を見つけたからといって、それが嬉しい事とは限らない。たとえどんな過去があり、どんな話を聞こうとも、僕はモイナを守ってみせる。
「ヨシ!頑張るぞ~」
コサイの声がする
「どうしたのマコト?そんなに大きな声だして」
コサイが居る事を忘れていた。
ちょっと恥ずかしい。
すると、
ドンドン
戸を叩く音がした。
「きたきた」
ドアからモイナが入ってくると思ったら、クリカが部屋に入ってきた。
「大変!モイナが居ないの!」
「えっ?」
どうせトイレか、どこかに行っているのだろう。
「そんなに慌てないでも大丈夫だよ。どうせトイレか食堂だと思うよ」
「違うのよ!服も何もかも無くなっているのよ」
確かにそれはおかしい。もし衣装バックを持っていくのなら、僕の所に来る筈だ。
「モイナにテレパシーで呼んでよ!」
クリカが真剣な表情で命令する。
そうか!テレパシーで呼んでみよう
(モイナ!どこにいるの?)
・・・・・・
おかしい、返事が無い。
僕のテレパシーが届かない場所まで移動しているのだろうか?
でもモイナなら、僕のテレパシーをどれだけ遠く離れていても読み取ってくれると思うのだが・・・
「マコト、モイナと話しは出来た?」
「ううん。返事が無い」
「どうするのよ!」
クリカが動揺している。
「昨日は、部屋でモイナの様子でおかしいところは無かった?」
「無いわよ!」
リオキとカシムが部屋に入ってきた。
「リオキとカシムさんも、モイナの異常は気付かなかったですか?」
するとカシムが
「お風呂から出て、部屋に入ってからの記憶が無いのです。」
えっ?
リオキも同様に「私も記憶が無い」と呟く。
「クリカは?」
「私も無いに決まってるでしょ!」




