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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第20章 えっモイナ?
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意識消失

何人かの町人達が食堂に訪れていて、突如現れた僕達を見て驚く。


「わあ、カシム様!」


みるみる人が群がってくる。


僕は人を掻き分け、目当てのラーメン屋を目指した、


ここの食堂は中央がフードコートの様にテーブルが立ち並んでおり、それぞれの店がテイクアウト形式になっているので、客はトレイに食事を乗せて慎重にテーブルへと運んでいく。


ラーメン屋の手前に着くと、4,5歳だろうか?小さな女の子が、お子様ラーメンをトレイで運んでいる。

母親が心配そうに子供を見守る。

「大丈夫?ママが持とうか?」


「パパの所まで持って行く!」

真剣な表情で零れないようにラーメンを見つめ、あと5,6歩先のテーブルに座る父親が座っているテーブルに足を進める。


あと3歩・・・2歩・・・1歩


無事トレイをテーブルに置くと、父親が子供の頭を撫でながら

「よくやったな。えらいぞ!」

と子供の髪の毛がぐしゃぐしゃになるくらい撫でまわした。


そこに母親も加わり、

「よく出来ました。」

とやさしく頭を撫でた。


子供への愛情が母親の表情から読み取れる。


「あ・・・・」


その母親の顔を見て、なつかしさを感じる。


僕にもこんな時代があったなぁ~


娘達はどうしているのだろう?僕は地球では死んでいるのだろうか?


一度でいいから、もう一度娘に会いたい。


しかし娘の顔が思い出せない。


何で顔以外は思い出せるのに、人の顔だけが思い出せないんだ!


考える事を止めようと思っていたが、何故か気になってしょうがない。


「ふう~」


大きくため息を吐くと、コサイが心配そうに声を掛けてきた。

「マコト、大丈夫?クリカの言動が原因?」


「いや・・いや違うよ。ちょっと地球の事を考えていたんだ」


「地球って、マコトやタタン様が居た異世界の事?」


「うん。自分の娘の顔が思い出せなくて、落ち込んじゃったんだ」


「そうなのね、本当にマコトは異世界では60歳だったの?」


「うん。上の娘は28歳で、下の娘が24歳だった」


「私達より年上なんだ。信じられないわ」


今の僕は20歳ぐらいの容姿なので、信じろと言う方が無理な話だ。

でも、このメンバーは誰も疑う事なく僕の言葉を信じてくれている。


違和感も持たないこのメンバーと出会えて良かったと本気で感じる。


「マコト~」


ラーメン屋の前でモイナが僕を大声で呼んでいる。


「早く来てよ~」


まるで本当の娘の様なモイナの所へ僕は急いだ。


「分かったよ。今行く」

とモイナの所に向かう。


結局、モイナの分も同じトレイに入れて、テーブルまで運んだ。

「さっき、小さい女の子も自分で運んでいたぞ!」


「だって、マコトに運んで欲しかったんだもん。」


まあ、これはこれでいいか


僕達はそれぞれ自分が好きな食べ物をテーブルに持っていき、和気あいあいと食事を楽しんだ。そして食事を食べ終えると、皆でお風呂に入りに行くため、2階の寝室に戻り、着替えを持って風呂場へと向かった。


風呂にはいつもの様にコサイと入ったのだが、コサイはサウナで体を癒すとの事で、僕は先に風呂場を後にしたのであった。


僕は部屋に入ると一直線にベッドへ走り、ヘッドスライディングする様に飛び込む。そして体を反転させて仰向けになり天井を見上げる。


「今日は平和だったなあ~」


しばらく天井を見上げて、今日一日を振り返る。


あれ?


そういえばコサイがまだ帰ってきていない。「やけに長湯だな」

コサイはまだお風呂に入っているのかな?

もしかして風呂場で倒れていないだろうか?


ちょっと風呂場に行ってみよう!


僕は立ち上がろうとするが、身体が動かない


どうして?


意識が遠ざかっていく。


かすかに声が聞こえる

「目を瞑りなさい。」


僕は意識を失った。

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