吸血鬼?
地球では無いこの場所に、何で僕はここにいる?
いくら考えても分からない。
夢?
それしか考えられない。
事故の瞬間に宇宙人が僕を誘拐したというのか?
こんな馬鹿な事すら真剣に考える。そんな馬鹿みたいな状況だからだ。
それにこの体も、事故の時とは明らかに違う容姿である。
僕は自分の顔を手で触る。
下顎についた肉が無くなっている様にも感じる。
鏡で自分に姿を見たい。アイナに問いかける
「アイナさん、この辺に水が溜まっている場所を知りませんか?」
「水が溜まっている場所?今、二人が魚を取りにいく場所なら水はあるが、何ならここに水を出そうか?」
と火を焚いた場所から5mぐらい離れた場所に、横3m縦1m深さ1mの長方形に掘られた穴があり、その場所を指差す。
「はい、お願いします。でも水が溜まりますか?」
「あ~そこなら何度も火で固めたから、水は無くならないぞ」
すると火を放った時の様に、今度は口から大量の水が池に噴き出され、見る見るうちに池が水で一杯になった。
マーライオンか!
得意げな表情を浮かべて「なっ、言っただろ、水は無くならないだろ?」
本当に水が溜まっている。それも溜まった水は透明に透き通っている。
陶器なのか?粘土質の土を焼いたのか?
もしそうなら、アイナの炎は1000℃を超す熱を持っている事になる。
昨日、この炎を僕に浴びせられたら一溜まりもなかっただろう。
そう考えると寒気がする。
「ありがとう、アイナ」
僕は溜まった水で自分の顔を確認する。
「あっ!」
体は高校生の時の様だと思っていたが、顔まで高校生時代いや大学生時代の時の顔に若返っている。
鏡では無いので、はっきりと見えないが、引き締まった顔立ちに変わっていた。
「まじか!」
これはこれでちょっと嬉しかった。
「どうした?顔がにやけてるぞ」
思わず若返った姿を喜んでいた僕に話しかけてきて、慌てて返事をする。
「いや何でもないです。」
モイナとカイナの足音が聞こえる。
モイナ「いっぱい魚が捕れたよ。」
「お~そうか、モイナありがとう」
するとカイナが「私も捕ったのよ」
「そうかそうか、カイナもありがとうな」
体が恐竜で無ければ、アットホームな家庭の会話だろう。
ただ、見た目と言うのは案外影響するのだと感じる。
捕ってきた魚10匹を目の前に置かれたが、全て煮干しのように干からびている。
まるで水気が無い魚を見て、
「まさか、この状態で泳いでいたのでは無いですよね?」
モイナが申し訳なさそうに
「ごめんね。もう魚達の血を先に飲んじゃった」
と照れ笑いしながら話した。
えっ?
えっ?
血を飲んだの?
もしかしてモイナって吸血鬼?




