新たな警備員
何でそこまでしてラコスタンは人間を食べようとしたのだろう?森の動物でも腹を満たすことは出来ると思うのだが・・・
僕はラカロに質問する。
「何でラコスタンは人間を襲うのですか?」
「人間には誰でも少しは魔力を備わっている。それを狙ってラコスタンは人間の魔力を食べるんだよ。特に血族であれば魔力は絶大だから、ずーっとここを狙っていたんだよ」
魔力を食べる?
「光国の住民は、人間の魔力を喰らい、自身の魔力を高めるんだ。」
ただ単純に人間がおいしい訳ではないのか?
でもカイナは、単純に人間を食べたがっていた様な気がしたが・・
でもこのラコスタン達をどうしたらいいのだろう?
殺すしか無いのか?
でも子供は殺したくないな。
ノハルが話始める。
「タタン様みたく魔力を吸収する能力があれば、ラコスタンの魔力を無くしてしまい、二度と魔力を使えなくする事が出来て、ただの動物にしてしまうのですが」
いやいや5mもあるワニをそのまま野放しには出来ないだろ
「人間を食べれない様にする魔法って無いのかな?」
「私は神経系魔法を使えない。そういえばトワ家は服従魔法が使えるのではないか?」
ルタンが答える。
「服従魔法の噂は嘘です。ただ神経系魔法は使えますので、やってみますね」
やってみるって?
何をやるつもりなのだろう?
ルタンがラコスタンの所に近づいて行く。全員に向かって気を集中すると、ラコスタン達の頭上に青白い気体の塊が出来る。
ルタンが「アナタは人を襲えない!」と声を出すと青白い気体の塊がラコスタン達に降りかかった。
ラコスタン達は恐怖に怯えて叫んだものの痛みは無いみたいで、平然と青白い気体を浴びていた。
そして青白い気体が消える。
両肩で息をするルタンが
「多分、大丈夫だと思います。」
何が?
ルタンがラコスタンの子供の所へ近づいて行き、一人の子供の巻き付けてあるツルをほどき始める。
ルタンがその子供に向かって
「私を噛んでみて下さい。」
えっ!それはさすがに危ないだろ、子供とは言え鋭い歯が生えそろっている。
ラコスタンの子供が口を大きく開けて腕を噛もうとしたが、どうやら口が動かないようだ。
そしてルタンはポケットから、ビスケットみたいなお菓子を子供に差し出して
「これを食べてみて」
と微笑む
ラコスタンの子供は美味しそうにお菓子を食べ始めた。
それを見たルタンが僕達に向かって笑顔で話始める。
「成功したみたいです。」
何が成功したのか、皆が不思議そうな表情を浮かべると、ルタンが言葉を足して説明した。
「人間を襲わない事と物を壊さない事を魔法で強制させました。これで、人を襲う事は無くなると思います。」
これは一種の催眠術の様なものなのか?
それとも、本当に脳へ強制的に認識させたのか?
どちらにしても、これでラコスタンは人間に危害を加える事は無さそうだ。
ラカロがラコスタンに話し掛ける
「君達は、この後どうするんだ?」
すると皆をまとめているだろうラコスタンが
「また、川沿いで生活するよ」
「それならば、この町の警備員になってくれないか?」
「俺達がか?」
「そうだ、もう人間は襲えないのだろ?それならば警備は出来るだろう。」
「何を警備するのだ?」
「この辺は森だから、猛獣も生息している。人間は攻撃できないだろうが、獣なら攻撃出来るだろ。勿論、家も食事もこちらで用意する。」
ラコスタンが集まって話し合う。
そこへノハルが
「皆さん、この老婆をお守り下さい。」
と笑顔で話し掛けると、子供のラコスタンが、
「うん。分かった」
と返事をする。
それを見た親達が仕方無さそうに
「分かりました。しばらくはここで警備をします。」




