光国の国王って?
ラコスタンの動きが完全に止まった。
「死んだのかな?」
するとラカロが
「いや、まだ生きている」
ラコスタンの指がピクリと動く、
「また来るぞ!あの鱗が異常に固いな。それにあの鱗が魔法を吸収しているようだ。」
魔法が通じない。このままではヤバイかも知れない。
モイナが僕の服を引っ張る
「どうした?」
「あの怪物は魔法ではダメだから、前にお父さんとお母さんをやっつけた時みたいにしないと倒れないよ」
手で殴るのか
まずは防御魔法をイメージすると、全身が青白く輝いた。
5mもあるワニに素手で戦えるほど、自分の力を信用できないが、ここはやるしか選択肢が無いようだ。
僕はボクシングのファイティングポーズをとり、ラコスタンに向かって低空飛行で跳んだ。
思いっきり跳んだのでスピードが半端では無く、ラコスタンがどんどん近づいてくる。
一方のラコスタンは、飛んでくる僕をそのまま食べようと大きな口を開き、僕を待ち受けていた。
もうどうにでもなれ!
ラコスタンが手が届く場所まで近づくと、思いっきり口の上側をストレートで打ち抜いた。
するとラコスタンは、物凄いスピードで後ろに飛んでいった。
木を何個もなぎ倒しながら、弾き返されていく。
そして、7,8本目の大きな木で止まり、ラコスタンは気を失って倒れてしまった。
その後5匹のラコスタンが来たが全て、殴ると気を失ったのである。
6匹の後から3匹の子供ラコスタンが来たが、子供には手を出さず。
モイナが太い木のツルを体に巻き付けて、動きを封じたのであった。
大人のラコスタンも木のツルで巻き付ける。
それにはラカロが
「さすがに木のツルでは抑えられないだろ」
モイナが自信たっぷりと
「大丈夫よ。モイナが動けなくさせる魔法を掛けるから」
えっ?
「モイナも僕の魔法を使えるのか?」
「多分、大丈夫だと思うよ。マコトがやったのを見た事あるもん。止まれって言えばいいんだよね」
するとモイナが大人のラコスタンの所に行って、一匹ずつ「止まれ!」
と言って廻ると大人ラコスタンは身動きが出来なくなった。
「モイナ凄いな。」
心底そう感じたのであった。
マワ家の魔法って複写能力でもあるのかな?
そこへシハルが車椅子でやってきた。
「お母様、まだここは危ないので家に入っていて下さい」
ラカロが母を気遣ったが、
「ありがとうね、ラハル。でも大丈夫よ。それにしてもマコト様の力は凄いですね。さすが異世界の方ですね。」
その言葉にラカロが反応し
「貴方は異世界の方だったのですか?母を助けて下さりありがとうございます。」
そしてラカロが、縛られているラコスタンの所に行き
「何でラコスタンがここに居る?君達の種族は光国領の筈だが」
「それはイトナ様が、3ヶ月前に人間を食する事を禁じたのが原因だ。更に人間を殺す事も禁じられた。」
当然の事だと思うが、イトナって何処がで聞いた覚えが・・・
「イトナって?」
「何を言ってるのよ、光国の国王に決まってるでしょ!」
といつもの様にクリカが突っ込んできた。
初めて聞くのに・・・
ラコスタンが話し続ける
「元々イトナ様は人間びいきだったので、いつかはこんな規則が出来るとは思っていたが、どうやら人間に脅されているらしいのだ。」
ルタンが話を割ってくる
「イトナ様の能力は、人間がかなう力では有りませんよ?」
「いや、1か月前にイトナ様がケガをされて城にやってきたらしい。顎が腫れて相当ひどく殴られていて、あれは人間から拷問を受けたのに違いないと、城内でもその噂で持ちきりになったと聞いている。」
あれ?
僕はアイナから貰った、何でも買えるカードをこっそりと見てみた。
カードには「アロ・イトナ」と記載されている。
「すいません。イトナ国王の上の名前は何て言うのですか?」
僕は恐る恐る聞いてみる。
するとラコスタンが
「アロ・イトナ様だよ」




