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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第14章 ウワ家のリオキとマオキ
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死の魔法

「飲んじゃダメ!」

とスプーンが口に運ばれる直前にモイナの手がスプーンに触れて、間一髪間に合いスプーンが床に落ちた。


マオキが驚き

「な・なんだ?」


僕がモイナの代わりに答える

「そのスープから黒い煙みたいなものが出ていたんです。」


「このスープに・・・・」


「はい、僕も阻止しようとしたのですが、何故か体が動かなかった。でもモイナがそれに気づいて阻止してくれました。」


まだスープから黒い煙が立ち昇っている。


僕はスープの前に立つと、カシムが近づいて来た。


スープの上に両手をかざす。

「このスープには死の魔法が掛けられた痕跡を感じます。」


マオキが質問する

「死の魔法?」


「多分、これだけ飲んで直ぐに死ぬ事は無いだろうけど、飲み続けたら死んでしまいます。」


「毒なのか?」


「いや、これは魔法です。私達ムワ家でも使える魔法です。それ以外は、光国と闇国の国王ぐらいしか使えないと思います。」


「でも何でワシのところにだけ、魔法が掛かっていたのだ?」


「それは良く分かりません。」


「それにしても、君のおかげで助かったよ」

マオキがモイナの頭を撫でる。


やはり、マオキもモイナを子供だと思っているようだ。


スープを入れ替えると、黒い煙は消えていた。


なんだったのだろう?


その後は黒い煙が発生する事もなく、食事を楽しんだ。


マオキは久しぶりの会食で上機嫌だったのだろう

「今日は泊まって行きなさい。何なら4,5日泊まっていってもいいぞ」


僕達はマオキの言葉に素直に甘えて、今日だけ泊めていただく事とした。


マオキは使用人達を集めて、酒を交わし始めた。


僕は皆にひそかに話し掛ける。

「ねえ、ここで話すのはまずいので、庭で話をしたい。」


心の変化があったマオキの前で、この会話をする事を避けた方が良いと思う気持ちは、皆の意見が一致した。


カシムがこの場を終わらせるために

「マオキ様、皆に庭を案内してもいいですか?」

すでに酔っぱらっているマオキは

「庭でもトイレでも、どこでも案内していいぞ」

使用人達は、マオキの陽気な言葉に笑いがおこる。


マオキと言う人物は、いかにも親分肌であり、あっと言う間に使用人達と楽しい酒の席に変わっていた。


そんなマオキを横目に食堂を出て、庭に向かう。

庭には中心に噴水があり、それを囲む様にバラが腰の高さになるように並んでいる、

2mぐらいの道を挟み、噴水とバラを鑑賞できるように間隔があいてベンチが置かれている。

その一角がティーラウンジになっていて、4人掛けのテーブルが二つ置かれているので、僕達はそこに集まった。


その集まりにリオキも加わる。


リオキが話始める

「お母様が亡くなったのも、この魔法のせいでは無いでしょうか?」

カシムが首を横に振り

「あの時は魔法の痕跡は見つからなかったわ。それに、もしそうなら私の両親が見抜けない訳が無いわ」

「確かにそうですね」


僕は単純な質問をする

「でも何の目的で、マオキ様を狙ったのかな?」


すると、ルタンが

「もしかして、光国がカミンを制圧するって噂は本当なのでしょうか?父の説得に最初は応じなかったと聞いています。」


クリカが声を荒げて

「でも、最終的には戦争は回避する事を約束したと言ってたよね?どうなってるの?本当に示談が成立したの?」


コサイが「もしかして、それも嘘?」


言葉を失う


「でも、さっきの魔法は私と娘のニシム、光国と闇国の国王しか使えない魔法よ。それは確かな事です。でも全部のスープなら分かるけど、マオキ様だけのスープに魔法を掛ける事は困難よ。いや、絶対に無理よ」


いくら考えても答えが出ない。


僕はこの魔法がどの様なものなのかカシムに問うと

「この魔法は魔力を奪い、魔力が無くなると生命力を奪っていく魔法なのです。ただこの魔法なら、対策を立てられると思います。」

とカシムが話す。


どちらにしても、このまま放置しておくとマオキの命が奪われかねない。


ルタンが提案する。

「マオキ様を皆さんのご家族がいるトワ・タン国の施設に一時避難した方がよろしいのでは無いでしょうか?犯人が光国か闇国にしても、狙うのは血族の方でしょうから、マオキ様が承諾してくれれば、その方が宜しいかと思います。」

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