心の変化
家族がいる施設まで案内される。
施設は3階まである大きな建物であり、1階は食堂や図書館、遊び場、お風呂がある。2階と3階が各家族の部屋が各階毎に5部屋もある。1部屋は100m2ぐらい、日本間では30坪ぐらいだろう。
ちょうど、お昼であったため、3人の家族が1階の食堂に集まっていた。
カシム、コサイ、クリカが家族の元へと歩み寄る。
特にカシムは、涙を流して家族との再会を喜んだ。
僕とモイナは、それぞれの一家団欒の様子を眺めていると、ルタンが近づいてくる。
「マコトさんもモイナさんも、2,3日は泊まっていただけるのでしょ?」
家族と再会したばかりなので、明日出発するには申し訳ないので
「そうですね。明後日頃に出発します。それまでお部屋を貸して頂いて大丈夫ですか?」
「もちろんです。」
とルタンが微笑んだ。
2階に、カシム家、コサイ家、クリカ家が泊まっているが、僕とモイナは3階の真ん中の部屋を使用していい事となった。
3階にはウワ・オキ家(空気)の当主であるマオキと、キワ・ハル家(木)の当主だったダハルは亡くなっているので、その未亡人であるノハルがこの施設に呼ばれて住んでいるらしい。
このノハルはラカロの母親である。
僕とモイナは1階の食堂で食事を摂った後、3階の僕達の部屋に向かった。
ドアを開けると、聞いていた話の通り大きな部屋が目の前に飛び込んできた。
部屋は正方形であり、扉の正面にある大きな窓から太陽の光が大きなベッドに差し込んでいる。部屋の右側はトイレと部屋風呂があり、左側は10人用の大きな机と椅子のセットがある。
家具も装飾品も全ては物凄く高そうな物ばかりだ。
モイナが部屋に入ると一直線に窓際にある大きなベッドに飛び込んだ。
モイナはベッドから外を眺め、僕に手招きしながら
「ねえマコト、こっちに来て」
足をバタバタさせながら、楽しそうに外を眺めているモイナの横に、モイナと同じ様に飛び込んだ。
二人は窓を前に寝っ転がり、肘を立てて窓から外を眺める。
「ほら、あそこに噴水があるよ。後で一緒に行こうよ」
無邪気に話すモイナに
「うん、そうだね。一緒に行こう」
すると満面の笑みで、「やった~」と言いながら僕に抱きついてきた。
胸がキュンとする。
あれ?
前にも同じ様な事があったような?
僕はベッドから降りて、モイナと庭を散歩した。
庭に咲いている花や噴水を、二人で手を繋ぎながら見て廻る。モイナの屈託のない笑顔を見る度に、親子と言うよりか恋人の様な感覚に心が変化していく様な感覚に陥り始める。
こんな感覚も久しぶりに味わう感覚だ。
ふと我に返り、頭を横に振りながら(ヤバイヤバイ、俺には妙子がいるんだ)
と自分で心を制御する。
「どうしたのマコト?」
「ううん。何でもないよ」
と誤魔化すのであった。




