丸投げ?
そして4日間が過ぎて、5日目の朝
カミン通りにある宿屋を出ると、クリカが
「さあもう少しで着くわよ。」
クリカの号令により皆が車に乗り込む。
この4日間、トワ・タン国についてからどうするのか、作戦を立てていない。
「ねえ、そろそろトワ・タン国に着いたらどうするか作戦を立てようよ。」
クリカが「えっ?何で?」
何で驚いた態度をとっているのだろう?
僕はコサイに聞き直した
「ねえ作戦を立てようか?」
するとコサイも「作戦?何で?」
一瞬、僕は不安を感じる。
もしかして、僕に丸投げしているのでは?
取り敢えず聞いてみる。
「もしかして、僕だけで皆を救出すると思っているのかな?」
クリカが
「何を言っているのよ、当たり前でしょ!誰がやると思っていたのよ、マコトは馬鹿なの?こんな大勢で城に潜り込んだら、わざわざ見つけてくれって言っている様なものだわ」
えっ?
だからって・・・・
僕はカシムに助け舟を求める。
「カシムさん、せめて一緒に作戦を考えてくれませんか?」
するとカシムが微笑みながら
「マコトさん、頑張ってくださいね。マコトさんがやりやすい方がいいと思うわ」
えっそんな~
「でも、僕は城の様子も知らないんですよ」
「マコトさんなら、大丈夫ですわ」
ダメだ、カシムも僕を過大評価している。
一人で戦うには、あまりにも、何もかも知らなさすぎる。
でもモイナは、モイナだけは一緒に行ってくれるだろう。
「モイナ、二人で行くことになるけど大丈夫か?」
「えっ何で?クリカがマコト一人で行った方が安全だと言っていたわよ」
おいおいモイナも、クリカに丸め込まれたのか?
僕はしばらく考える。
僕にはテレポートがあるから、見つかっても城の外に出るのはたやすい事だ。
取り敢えず潜り込んで、捕らわれている人達にさえ会えれば、城から外に助け出す事ぐらい何とかなるだろう。
しょうがない、一人で行くしかない。
「分かったよ、僕が一人で何とかすればいいんだろ!」
とちょっと強い口調で言ったが
クリカは「だから、当たり前でしょ」
と平然と言われた。
モイナが「もし、何かあったら助けに行くからね」
何か無ければ来ないのか?
もういいや!クリカに洗脳されているモイナに、これ以上望むのは無理だろう。
ここは観念して
「分かった、何かあったら頼むよ」
と苦笑いを浮かべて話すのが精一杯であった。
そして、カミン通りのトワ・タン国の入り口に着いたのである。
まだ陽は落ちていなかったが、少し早く宿屋に入る。
このカミン通りでは襲撃する事は出来ないので、安心して過ごす最後の夜になるかも知れないと身を引き締める。
その宿屋の横が大きな食堂となっているので、僕達はその食堂に夕食を食べに行った。
店屋に入るといつもと同じ様に、最初は血液を頼む。
店主が4つの血液を僕達のテーブルに置いた事に、周りの客達は驚いた様子だった。
「血族が4人」
そんな声が聞こえてくる。
店の客は、殆んどがトワ・タン国の国民である。
店屋のウェイトレスに話しかける。
「いつもここは、こんなに人が多いのですか?」
「そうよ、カミン通りでは犯罪が無いから、お酒を飲む時はここに来る人が多いんですよ。特に女性は街で飲むより、ここに来て飲む人が多いわ。」
僕は店を見渡すと、店員が言った言葉に納得する。
体が貧弱な男性や女性が多い。
確かにここでは犯罪が無いから、ゆっくりと飲めるし、近くには宿屋もある。
血液を飲み終えて、僕達5人は食事を食べ始めた。




