闇国の王子(アミン)
クリカ「ここは新鮮な血が飲める店で有名なんだよ」
とモイナに嬉しそうに話し掛ける。
まるで本当の姉妹の様であり、姉はクリカ、妹はモイナといった関係となっている。
モイナもクリカに甘えており、同じ歳の筈なのに、すっかり上下関係が出来上がっているが、モイナも楽しそうに会話しており、モイナの笑顔を見ると心が和むのであった。
車が食堂の前に止まると、クリカとモイナが競争する様に飛び出して店へ入っていく。
店はファミリーレストランの様な形状のレストランとなっていて、店の名前が「デニズ」と書かれている。
「デニズ ?」
まるで日本のファミリーレストランの名前の様だったので、カシムに質問する。
「もしかして、このレストランの名前も「タタン」がつけたの?」
僕の言葉にカシムは驚いて「よく分かったねマコト。そんな能力も持っているのか?」
「いや、そんな能力は持っていないよ。何となくそう思っただけだよ」
もしかして「タタン」とは日本人だったのか?
僕達5人が店に入ると「いらっしゃいませ、デニズへようこそ」
これは確定だな。
5人はウェイトレスに案内されて、道が見える窓側の大きなテーブルに案内される。
クリカがスペシャル血液と書かれた商品に反応する。
その商品には、他の3人も興味を示しているようだ。
冷静さを装いカシムが、店員に質問する。
「このスペシャルとはどういう事なのかしら?」
「この血液は、闇人の血を浄化魔法で綺麗にしたものです。」
「そ、そうなのか?それで浄化魔法すると何が違うの?」
「血液内の不純物である、脂肪等を取り除いているんです。」
完全にカシムの表情が緩んでいる。もう飲みたくてしょうがないみたいだ。
「では私はそれにするわ。でもそんな魔法は、聞いたことが無いけど、誰がその魔法を使うの?」
「はい、アミン様がここに来て魔法を掛けて下さるんです。」
いつもは冷静なカシムが驚いた表情で
「アミン様って、闇国の王子?」
「はい、注文が入るとここに来て下さるんです。冷凍された血液を魔法で新鮮な血液に変えてくれるんですよ。私には分かりませんが、まるで生きている人の血液みたいで、相当美味しいらしいです。」
それを聞いた他の3人も同じ物を頼んだ。
僕は血を飲めないので、絵を見てスパゲッティみたいな絵が書いてある食べ物を注文した。
実はトイレを我慢していた僕は
「ごめん。ちょっとトイレに行ってくる」
と席を立ち、トイレに向かった。
用を足しながら
「闇国の王子って?どんな容姿なのだろう?もしかして真っ黒な悪魔みたいな容姿なのかな?」
アニメ等の悪魔を頭に思い描いた。
トイレを出て席に向おうとすると、
えっ?天使?
テーブルの所に羽が生えて空に浮いている、子供の姿が目に入った。
その姿は、まさしく天使そのものだ。
何でこんな所に天使が?
僕はとまどいながら席に向かった。
そして席がある場所まで着いたが、天使が邪魔で椅子に座れない。
しょうがなく天使に
「あの~ちょっと横にずれてくれませんか?」
すると体が浮いていて、顔の位置が同じ高さにある天使が僕を見る。
顔もまさしく天使である。
まるで赤ちゃんの様なほっぺたをしていて、髪の毛は天然パーマが掛かっていて、髪の色は白い。衣服も真っ白で羽も白い。
何だか本物の天使を見て感動してしまう。
天使って、こんな感じなんだ。
「あっごめん。」
と天使は少し横にずれてくれた。
モイナが「マコト、この子がアミン様だって」
えっ闇国の王子って、悪魔では無いの?




