コサイの洋服
翌朝
部屋の窓から外を眺めると、大粒の雨が降り続いている。
プラスチックが無い世の中なので、街の人は薄い板を傘替わりにして街を歩いている。
つくづく地球の文明は凄いのだと感じる。
モイナと1階の食堂に行くと、すぐにクリカも降りてきた。
クリカがモイナを見て
「モイナ、その服では濡れちゃうわよ」
モイナは首を捻り「?」
「青い糸の服に着替えてくれば、雨が当たらないから着替えて来なさい。それが嫌なら水着ね」
さすがに水着は無いだろ
カシムが階段を降りてくる。
えっ!ここにいた!
なんとカシムは水着を着て1階に降りてきた。
それもレースクィーンが着ている超ハイレグだ。
さすがに目のやり場に困る。
次にコサイが水着を着て降りてくる。
コサイはまるでスクール水着のようである。
しかも、股間が膨らんでいる。
「コサイ、さすがに水着は無理があるよ。どうしても男の物があるから目立っちゃうよ」
するとクリカが、「マコト、コサイとカシムにも服をプレゼントしてあげなさいよ」
まあ、お金はまだまだあるのでいいのだが、せめて朝食を食べてからにしたい
「じゃあ朝ごはんを食べてから買いに行ってくるよ。」
「ダメよ!今すぐ買いに行って!」
「え~」
昨日と同様に、カシムとコサイが僕の肩を軽く叩き、
「マコトごめんね」
と、また慰めてくれた。
宿屋を出て、僕達の服を購入した服屋に着いたが、まだ店が開いていない。
そりゃあそうだよな
取り敢えず宿屋に戻ろうとすると
「あっお客様!」
と後ろから声がしたので、振り向くとそこには店主が立っていた。
「まだ店は開きませんよね?」
「すぐ開けますから、お待ち下さい。」
店主は店を開けて、僕を店の中に入れてくれた。
「ところで今日は何を買いに来られたのですか?」
「この前の女性版のセットを2つ買いたいのですが、在庫はありますか?」
「はい、ありますよ」
コサイは女性服でいいのだろうか?
女性服を買えばクリカに怒られそうだが、男性服を買えばコサイは着てくれないかも知れない。
う~ん、せっかく買っても着てくれないのも嫌だな
「では、女性2つでお願いします。」
店長が店の奥に行こうとしたので、
「店長、すいません。一つのセットに男性用の正装を一つ入れてくれますか」
「はい分かりました。」
取り敢えず、一つでも男性用の服を入れておけば、クリカの怒りも少しは減るだろうと安易に考えるのであった。それに、もしかしたらガタンと対談になるかも知れない。その場合は、今回は女装と言う訳にはいかないだろう。
しばらくして店長が持ってきた服を確認して購入する。
満面な笑みを浮かべた店主に見送られ、急いで宿屋に戻る。
「買ってきたよ!」
僕はカシムとコサイの所に行き、アタッシュケースを手渡した。
「ちょっと待って!」
クリカがコサイに渡そうとしたアタッシュケースを奪い取る
予想通りの展開だ
クリカはアタッシュケースを開けて、コサイの洋服をチェックする。
クリカが大きな声で僕を呼ぶ
「マコト!」
やっぱりダメだったか
すると小さい声で
「ありがとう」
?
一瞬クリカの表情がしおらしく見えた。
1枚だけ、男性用の正装服を入れた事がクリカに満足感を与える事が出来たのだろうか?
何にしても怒られないで良かったとホッとした。




