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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第8章 月の王子ヒワ・コサイ
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ヒワ・コサイ

2人の男が僕を両側から肩と腕を掴む。僕も無抵抗で従った。

「お前は何をしている!」

とドアを開けたまま尋問をされる。


部屋の中から「とにかく外でやって。早くドアを閉めてよ」


男達は「分かりました。すいませんでした。」

と言って、ドアを閉める。


僕は男達に連れられて、1階に連れて行かれる。

1階のロビーに置いてある椅子に座らされ、

「お前は誰だ!王子を狙ったのか?」


状況がよく分からず、戸惑ってしまう

「いえ、僕達はあそこの部屋で宿泊するつもりだったんです。」


この騒ぎに、中年の男性がやってきた。

すると男達が、その中年男性に話し掛ける。

「おい、店主。この男がこんな事を言っているが、どういう事だ。」


店主?


すると、中年男性が「いや、僕は知りません。妻と一緒に厨房で食事を作っていたので、この受付には、誰もいない筈ですよ。」


「えっ?ここに居た老婆に3人分の宿泊料金で緑貨3枚を渡したんですよ。」


「緑貨3枚?そんなに出したんですか?そいつは詐欺師ですよ」


するとトイレに入っていたモイナとクリカがやってきた。


クリカが男達を見て「あれ?あんた達は、確かヒワ国(月)のコサイの護衛?」


一人の男がクリカを見て「クリカ様ですか?」


「当たり前でしょ。見れば分かるでしょ。私の仲間に何をしているの?」


「いえ、この男が王子の着替えを覗いたんです。」


「何で男が男の着替えを覗くのよ?まだアイツは女装してるのね。私があの馬鹿に説教してくるわ」

と階段に向かって歩き始めた。

「クリカ様、お待ち下さい。」

と二人の男は僕から離れて、クリカを追った。


クリカがコサイ王子の部屋のドアを叩く

「コサイ、出てきなさい。」


「えっクリカ?」


「そうよ、早く出てきなさい」


「嫌だよ。何でクリカがここに居て、そんなに怒ってるの?」


「いいから出て来なさい。ドアを壊すわよ」


「分かったよ。でも怒らないって約束する?」


「ちゃんと出てくれば怒らないわよ」


「絶対だよ」


カチッ


ドアが開く。コサイの姿を見て、クリカはコサイの頭を叩いた。

「何でこんな恰好してるのよ!」


寝巻きなのだろうか、ピンクのワンピースにスカートの裾に犬のワンポイントが縫ってある。

「怒らないって約束でしょ!」


クリカは怒りを抑えながら

「ちょっと下に来て頂戴」


するとコサイが「ねえクリカ、このワンポイント可愛いでしょ」


クリカは再度、コサイの頭を叩く

「いいから、早く来なさい。」


「怒らないって言ったじゃないか」


「これは教育だ。」

コサイとクリカ、それとクリカを押さえに行った男2名が階段から降りてくる。


コサイが僕に挨拶をしてきた。

「私はヒワ・コサイです。よろしくね。」

と僕の手を握りしめる。男と分かっているが、容姿は物凄く可愛い女の子である。

つい赤くなってしまった、

それを見てモイナが「マコト、男の子と握手して照れてる。変なの?」


僕は我に返り、「自分とモイナを紹介した。」


僕は店主に「あの~お金は払いますから、僕達の部屋は用意出来るでしょうか?」


「ごめんなさい。部屋は満室なんです。」

とチラッとコサイを見ながら話した。


何かあるな。僕は店主の心の声を聞く。

(10人以上の大部屋2つを、コサイ様が2つとも押さえてしまったから、大部屋希望で来た人達を個室に案内してしまったんだよなあ)


そういう事か。

「あのすいません。良ければ大部屋でごろ寝でもいいので、泊めてくれませんか?」


「すいません。この宿泊所は大部屋が無いんです。」


するとクリカが

「大部屋が無い宿泊所なんて、聞いたことが無いわよ。ちゃんと説明しなさい。」


さすがに見かねたコサイが

「大部屋二つを僕達が押さえちゃったんですよ。ただ言っておきますけど、料金もちゃんとそれなりに払ってますよ。」


「じゃあ、コサイの部屋に私とモイナが泊まるわね。コサイとマコトは、そこの護衛達と泊まりなさい。」


コサイが泣きそうな顔をして「私が男と一緒に寝ろと言っているの?酷いわ」


「だから、お前は男だろ。とにかく私とモイナはアンタの部屋に行くから、早く出て行ってくれるかしら」


と言い放ち、モイナと部屋に向かった。


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